オンナの病気新常識 著者:伊藤隼也
03 尿トラブル(尿もれ・骨盤臓器脱など)

『オンナの病気
新常識』

著者:伊藤隼也
講談社
定価1,575円(税込)
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尿トラブルには骨盤底筋トレーニング!

  年齢を重ねるとともに深刻になってくる悩み。それは「トイレの問題」だ。実は、男性と女性とでは、排尿に関係する臓器こそほぼ同じものの、その位置などが大きく異なり、また年とともに起こってくる症状も違ってくる。「男性は出にくく、女性はもれやすく」なる。

  平均寿命が86・44歳と過去最高を記録し、昔に比べたらはるかに長生きできるようになった女性。いつまでも楽しくはつらつとした人生を過ごすために、尿もれ、頻尿などの尿トラブル対策をしっかりとっていきたいものだ。

女性の体は尿漏れが起きやすい

 女性の尿もれ経験者はかなり多く、30歳以上の日本人女性の3分の1が尿もれに悩むとされている。

 しかし、そもそもなぜ女性に尿トラブルが多いのだろうか。女性泌尿器科専門医で、女性医療の問題に取り組む女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀医師は、その理由についてこう話す。

 「女性の尿道は6cmぐらいで、20cmほどもある男性よりはるかに短い。ホースが短いほど水の通りがよくなるように、女性であるということだけで、すでにもれやすい状態であるといえるのです」

 ほかにも、女性は出産時に、大きな赤ちゃんの頭が産道を通るので、骨盤内の筋肉や靱帯、筋膜が、多かれ少なかれ損傷しており、この損傷によるゆるみも尿もれの大きな原因の一つになっているという。

 さらに、尿道には収縮して膀胱に溜まっている尿を止めておく機能があるが、閉経して女性ホルモンの分泌が少なくなると、その機能する部分の長さ(機能的尿道長)が短くなり、しっかりと尿を止めておきにくくなる。こうした問題が総合的にはたらいて、出産経験のある年配の女性ほど、もれやすいのだという。

尿もれ、急な尿意、頻尿の原因は骨盤底の障害!

 ところで、尿もれと一口にいっても、その原因、尿がもれるきっかけ、時間帯、状況などはさまざまだ。また、尿がもれる(尿失禁)だけでなく、トイレが近い(頻尿)、急に尿意に襲われる(尿意切迫感)、トイレに行ったのにまだ尿が残っている感じがする(残尿感)、といった症状もある。

平均寿命
厚生労働省「平成21年簡易生命表」より。また、男性の平均寿命は79・59歳で、こちらも過去最高となった。ちなみに昭和22年の平均寿命は女性53・96歳。女性の平均寿命が80代に突入したのは昭和59年。

尿意
膀胱内に尿が溜まってくると、内圧(膀胱内圧)が高まって神経を刺激。尿意を感じるようになる。一般的に尿意をもよおすのは、350ml程度溜まったときだが、その2倍ぐらいの量まではガマンして溜めておくことができるとされる。
尿の蓄積や排尿をコントロールしているのが自律神経で、尿を溜めているときは主に交感神経が、排尿時には副交感神経がはたらく。したがって自律神経のバランスが崩れると、頻尿や尿意切迫感などの症状が生じることになる。