オトコの病気新常識 著者:伊藤隼也
02 前立腺肥大症


 精巣や会陰(えいん)部、下腹部の周辺などに何となく痛みや違和感がある。トイレが近く、残尿感がある——こんな症状で泌尿器科に駆け込む男性は多い。

『オトコの病気
新常識』

著者:伊藤隼也
講談社
定価1,575円(税込)
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痛みの少ないレーザー治療が標準になりつつある

  最近、何となくおしっこの出が悪い・・・。そんなことを実感しつつも、そのままにしている中年男性は少なくないだろう。だが、もしかしたらそれは、男の沽券ならぬ“男の股間"に関わる一大事かもしれない。

  男性の膀胱の下で尿道を取り囲み、栗の実のような形をしている前立腺。その「実」の部分が肥大し、尿道を圧迫してしまう病気が前立腺肥大症だ(イラスト1参照)。

 早い人なら40代でおしっこの勢いがなくなる、時間が長くなる、といった症状が出始め、否応なく老化の始まりを実感させられる。

 命に別状はないが、重症になれば尿が出なくなるなど、大変なことになるのは間違いない。気になる人は、まずは次ページのチェック票「国際前立腺症状スコア(IPSS)」で確かめてみるとよい。

前立腺肥大症を放置しておくと重い腎障害

 厚生労働統計協会が2002年に行った調査によると、前立腺肥大症の患者は国内に39万8000人。1987年の調査では13万5000人だったから、患者数は15年間で約3倍に膨れ上がったことになる。

 一説によれば、この病気は50代以降の男性の5人に1人がかかっているともいわれており、医師の診察を受けていない患者の数はこの数字よりはるかに多いと考えられる。団塊の世代の男性が続々と社会の第一線から退き始めている近年、医療機関を受診する患者の数はさらに増加するのではないかと想像できる。

厚生労働統計協会の調査
厚生労働統計協会「患者調査」。患者の医療機関の利用状況を明らかにするために、全国の病院・診療所・歯科診療所などを対象に3年周期で行われている。

国際前立腺症状スコア(IPSS)
前立腺肥大症の自覚症状を客観的に評価するために、アメリカ泌尿器科学会が作成したアンケート方式の検査。尿路の症状にはさまざまな要素が関係しているため、このスコアだけで完全な評価はできないが、治療方針を決めたり、治療効果を判定する際に活用されている。
検査は、最近1ヵ月間の排尿の状況に関する7項目の質問に回答し、点数を合計する。7点以下は軽度、8点から19点は中程度、20点以上は重度とされることが多い。

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