人民元への投資は儲かるか?
中国の通貨である人民元は、本来の自由な取引が制限されている〔PHOTO〕gettyimages

 二つの通貨の交換比率である為替レートは、基本的に、当該通貨を買いたいという人と、売りたいという人が折り合う点=売り・買いが均衡するポイントで決まる。ところが、中国の通貨である人民元は、中国政府の厳しい管理下におかれているため、本来の自由な取引が制限されている。実際には、中国人民銀行が独自に設定するレートで、他の通貨と交換することになる。

人民元は過小評価

 中国人民銀行が決定している為替レートは、人民元の過小評価といわれている。何故、人民元を過小評価しているかというと、自国通貨を過小評価に維持しておくと、当該国の輸出に有利なのである。

 それは、どこの国でも同じことが言える。わが国でも、円が弱いと、その分だけ輸出の手取り代金が増えるため輸出企業の収益力が向上することになる。例えば、1ドル=100円のとき、10ドルの製品を輸出すると、輸出企業の円ベースの手取り代金は、10ドル=100円×10=1000円になる。ところが、1ドル=150円の円安になると、同じ10ドルの輸出は、10ドル=150円×10=1500円になる。

 こうしてみると、為替レートは、輸出企業にとっては死活問題といえるほど重要なポイントだ。わが国を代表する輸出企業であるトヨタ自動車の場合、1ドル当たり1円の円安になると、それだけで200億円の計上利益が増えるといわれている。

 現在、中国経済は高い成長率を達成しているが、その高い成長を支える一つの要因が、この人民元安政策なのである。有体に言うと、中国政府は、人民元をあるべきレベルよりも安く維持することで、輸出を振興し、高い経済成長を達成してきたともいえる。最近、そうした中国の為替政策に対して、欧米諸国から、「中国の為替政策はフェアーでない」という批判が高まっているのはそのためだ。

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