無策がもたらす「電気料金高」、「円高」
市場は菅政権と東電の存続にNOを突きつけている

トヨタが日本から逃げ出すのは当たり前
周囲の思いとは別に本人は辞める気などなし   【PHOTO】Bloomberg via Getty Images


菅政権がグダグダしている。辞めるといったかと思うと、続投ともいう。菅総理を昔から知るある人が教えてくれたが、市民運動家からスタートした彼の政治人生はいつも瀬戸際だったので、今の状況も彼から見れば普通なので辞めないと。

 それならと閣外ばかりか、異常なことに閣内からも「菅降ろし」が出てきた。仙谷官房副長官の口からは「菅総理の辞任は今月中」という期限まで漏れた。

 ポスト菅候補としては、枝野幸男官房長官(47)、小沢鋭仁前環境相(57)、鹿野道彦農水相(69)、仙谷由人官房副長官(65)、樽床伸二元国対委員長(51)、野田佳彦財務相(54)、前原誠司前外務相(49)、馬淵澄夫総理補佐官(50)などなど、名前が挙がっている人だけでこれだけいる。

 しかし、もし菅総理が辞めたとして、それで一体何が変わるのか。今の閣内にいる人が新しい総理になっても、政策の中身は何も変わらない。閣外の人は何が変わるのかを明確にしなければいけない。

電力値上げと円高を呼ぶ賠償スキーム

  今の優先案件は復興と原発事故だ。そのために緊急を要する政治課題は、復興基本法、賠償スキーム法、第2次補正予算の成立だ。このうち、復興基本法は6月10日(金)に衆議院本会議で可決されている。参議院に送られ、早ければ今週中にも成立する見込みだ。

 残る賠償スキーム法と第2次補正予算が成立するとなにがもたらされるのか。あらかじめいっておくと、電力不足、電力料金の値上げと円高である。

 まず、賠償スキーム法は、14日(火)にも閣議決定されるようだ。1ヵ月前の5月13日(金)に閣議決定できずに、関係閣僚会議決定という腰の引けた案が出てきた。法案化までに随分と時間がかかった。その間、政府関係者の中で異なる意見が飛び出し、政府の混乱が明らかになった。

 1ヵ月前には東電を温存し、東電の株式や債権は保護され、その分、国民負担が増える内容だった。しかも、東電を温存するので、発送電分離、電力参入などの電力自由化措置は将来の課題とされ、当面は電力料金の値上げが前提となっていた。

 しかし、マーケットはその内容に、Noを突きつけている。東電の信用リスクを見るものとしてクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドがある。年間何%の保険料を払えば、東電の倒産リスクから逃れられるかというものだ。その推移を見ながら、市場の見方を紹介しよう。

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