「民主党惨敗」「自民党躍進」の参議院選挙の結果を考える
焦点は連立の枠組みに

 参議院選挙の結果は、多くの政治評論家や記者たちの予想を覆すものだった。民主党の苦戦は予想されていたが、自民党の躍進については、38議席から51議席にまでなるとは、誰も考えていなかった。選挙結果の細かい分析はじっくり時間をかけて後日、論じたいと思う。

 私が代表を務める新党改革は、比例で1議席獲得という結果であった。まずは、支援して下さった多くの方々に御礼申し上げたい。そして、十分な成果を上げられなかったことを率直にお詫びしたい。

 党の発足が4月23日と遅く、選挙まで十分な時間がなかったことも影響したであろう。しかし、公募で採用した候補者は、素晴らしい人材揃いで、今後の捲土重来を期待する。

 選挙の結果を考えるときのポイントがいくつかあると思われる。

 まずは、消費税問題である。菅首相が唐突に、消費税率を10%にという提案を行ったことが、民主党の敗因につながったことは否めない。政権交代以降に、マニフェスト違反を繰り返してきたが、この菅発言もまた、その一環として位置づけられたのである。

 首相が、鳩山氏から菅氏に替わったとたんに、支持率が上昇したが、これも消費税発言、それも低所得者への還付などにまで言及したことは、発言のぶれと見られ、急速に支持率が低下していった。マニフェストで4年間は消費税を上げないと明言しておきながら、10%提案はないだろうというのが、有権者の反応であったようである。

 自民党の勝利については、おおかたの予想に反したが、しかし、これで自民党が有権者に認められたわけでも、自己改革の努力を放棄してよいわけでもない。政策も体制も刷新しなければ、有権者は許さないであろう。いわば敵失で勝利したといったほうがよいのではあるまいか。

 ただ、特筆すべきは、党の組織がフル稼働したことである。来年は、統一地方選挙である。地方議員が、自分の選挙に勝つために、手足としてかけずり回ったことが、有効に機能したようである。私たちのような組織を持たない小党の苦労するところである。

 しかし、組織を持たないみんなの党は、10議席と躍進した。これは、党の設立が早かったこともあるが、公務員制度改革をいわば単一争点としたことが、有権者には分かりやすかったのであろう。

 ところで、すでに焦点は、選挙後の連立政権協議のほうに向かっている。民主党が参議院で過半数割れを来たし、自民党が改選第一党となったことは、まずは、民主党内に亀裂を生んでいる。菅執行部に対して、反主流派からは、厳しい批判が起きている。党の団結を維持できるか否か、党内政局が最大の関心事となっている。

ネット選挙を解禁してカネのかからない仕組みに

 野党の中で、いずれかの政党が民主党との連立に踏み切るか否かはまだ不明であるが、いずれの政党も政策中心ということを強調しており、この道も容易ではあるまい。最終的には、9月の民主党代表選挙以降まで明確な見通しは立たないのではあるまいか。

 昨年夏の政権交代から、やがて1年が経つ。この間の日本の政治を振り返ってみると、何とかしなければという思いがますます強くなる。外交安保についても、日米安保体制という基軸をどう活かしていくのかという視点が欠けたままである。

 また、政治とカネをめぐって、抜本的な改善策が示されていない。ネット選挙を解禁して、選挙にカネのかからない仕組みを早急に整備する必要があろう。

 経済についても、20年にわたる沈滞を打破する必要がある。そのためには、法人税率の引き下げ、規制緩和などを断行して、「日本のガラパゴス化」と呼ばれる状況を改善しなければならない。何よりも日本が内向き過ぎる。モノやサービスが世界市場で売れるような努力をさらに続ける必要がある。

 いずれにしても、私たち新党改革が公約に掲げたことは、新しい日本を創るために必要な政策だと確信している。今後とも、日本の政治を刷新するための努力を継続する決意である。

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