参院選は、大方の事前予想どおり与党が過半数にとどかなかった。
これで、(1)「ねじれ」が生じた。これは3年前、安倍政権のときに与党が参院選で敗北したのと同様なことが攻守ところを変えて起こったといえる。
当然のごとく、(2)民主党内の責任問題が出てくる。その結果、菅直人政権を中心とする反小沢軍勢と親小沢の対立がおきる。ただ、あまり知られていないことであるが、菅政権もそれほど一枚岩ではない。 菅政権の実態は、仙谷由人官房長官・枝野幸男幹事長と菅総理の複合体だ。そこで、(3)仙谷・枝野対菅の争いもある。

自民党も一応は勝ったことになるので、当面は(4)谷垣体制の継続である。新しくできた少数政党は、みんなの党以外は存続が怪しくなる。いずれにどこかに吸収され消滅するだろう。
みんなの党は大躍進である。これで第3極はみんなの党が軸になることで決まりだ。みんなの党は、 「アジェンダの党」といい、政策の中身が持ち味であるので、(5)国会で対案をドンドンだしてくるだろう。
以上、今回の参院選に よって、(1)~(5)が起こるわけであるが、それぞれ政治的・経済的にどのような意味があるだろうか。
(1)ねじれとなれば、予算議決は衆議院優越であるので関係ないが、法律案は与党が事実上通せなくなる。このうち重要なのは予算関連法案である。
予算は予算案だけでは不十分であり、予算関連法案の成立が必要である。例えば、赤字公債なしでは予算が組めないため、特例公債法が必要となる。しかし特例公債法を参議院が否決すれば予算は回らなくなる。となると、与党は、先の国会のように強行採決を連発できなくなる。菅総理もいうように「丁寧な国会運営」ということにならざるをえない。
ということは、野党が対案を出せば、それが通りやすくなるということだ。すぐに臨時国会になるが、参議院議長をはじめとして、菅政権がどのような国会運営をするかが注目される。江田参議院議長の先の国会での運営はあまりに強引だったために、野党はかなり反発しているだろう。
一般的に、ねじれは政策実行を困難にするので、マーケットにとっては政策不在でマイナス要因である。ところが、菅政権は「増税すれば景気がよくなる」と か、経済オンチ政権だ。それが止むのであれば、むしろマーケットにとって悪くないという自虐的な見方もできるかもしれない。
有権者が迫られる「究極の選択」
(2)菅政権の責任問題はやっかいだ。
菅総理は自らを含めて続投を表明している。ただし、今回の参院選の敗因は菅総理の消費税発言であることは明白だ。続投ですんなりいくとは思えない。弁護士の郷原信郎さんによれば、小沢案件の検察審査会の補助弁護士が今はいないという。となると、当分、小沢案件での検察審査会の結論はでない。
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