毎日フォーラム~毎日新聞社

使用電力15%カットにあの手この手
[節電対策]休日、始業時間の変更、スーパークールビズ・・・

2011年06月14日(火) 毎日フォーラム
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 東日本大震災により電力需給のひっ迫が予想されるため、政府は東京電力と東北電力管内のこの夏のピーク時の最大使用電力の削減目標を一律前年比15%減とすることを決めた。これを受け、業界ぐるみで休日を平日に移動したり、始業時間を早める企業版サマータイムを導入する企業があるなど、さまざまな節電の工夫が広がっている。また環境省は6月1日から「スーパークールビズ」に取り組むことになった。

 政府の電力需給緊急対策本部によると、大震災以後、東電、東北電力は被災した火力発電所の復旧工事などを急ぎ、8月末の供給力を東電は5380万キロワット、東北電力は1370万キロワットまで回復させた。しかし、猛暑時のピーク需要にはそれぞれ620万キロワット、110万キロワット不足するため、企業と家庭に15%の節電を求めた。

 契約電力が500キロワット以上の大口需要家には7月1日から、電気事業法に基づく使用制限令を発動し、ピーク時の15%カットを義務化する。500キロワット以下の小口需要家には個別に節電の自主計画の作成や公表を求める。

 家庭には節電対策メニューを示し、エアコンの室温設定を28度にしたり、冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にし、食品などを詰め込まないことなどを求めている。ただ、電力消費全体の6割を占める小口需要家と家庭については強制できないため、節電に関する広報啓発活動を強めていく。

 業界ぐるみで電力需要の少ない土日に操業するのは日本自動車工業会だ。5月19日に、川崎重工業を除く全加盟社が7~9月に全国の工場を中心に休日を木、金曜日とすることを正式決定した。部品メーカーでつくる日本自動車部品工業会(約450社)も足並みをそろえる。1週間を通じた曜日ごとのピーク時の電力消費量をならすのが狙いだ。

 自動車産業に携わっている人は下請けを含めて約80万人おり、これらの人々の生活パターンを変えることになるが、自工会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は「15%節電は大変厳しい数字。こういう形でやらざるを得ない」と話している。

 一方、NTTドコモは7~9月、東電管内で働く社員について土・日の休日を月・火曜日に切り替える。休日のシフトによりピーク時電力需要を抑える狙いで、もちろん冷房や照明面などでも節電に力を入れる。

 1948年から4年間全国で導入されたサマータイムを実施する企業もある。枝野幸男官房長官はサマータイムの導入について「全国的に導入した場合、電力のピークカットにはつながらない」と否定的だったが、個別に導入した場合にはピークの平準化につながる。

 日本製紙本社グループは5月9日の連休明けから、始業時刻を1時間早め、午前8時15分とした。9月末日まで実施する。終業時刻は午後4時15分。同社広報部では「自家発電所のフル活用などで25%の節電がすでに達成される見通しになっているが、働き方の意識を変えようと、この機にサマータイムを導入することにした。他企業からの問い合わせが相次ぎ、驚いている」と話している。

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