雑誌
「トモダチ作戦」
アメリカは被災地で何を見たのか
レスキュー隊長が明かしたニッポン

〔PHOTO〕gettyimages

 大震災に見舞われた日本に、アメリカは支援の手を差し伸べた。両国の関係はこの苦難を機にさらに強くなったように見えた。しかし現実はシビアだ。アメリカは日本に見切りをつけるかもしれない。

「忘れることができない」

「日本国民は世界、特にアメリカから受けた多大なる支援に心の底から感謝しています。日本は強い国ですが、あなた方のサポートなしには立てません。日本国民を代表して、感謝の意を表します」

 去る5月24日、アメリカの下院外交委員会で、「日本の将来」と題した公聴会が開かれた。「震災後、日本は本当に復活できるのか」「日米関係にはどんな変化が起こるのか」など、東日本大震災以後の日本とアメリカについて論じるこの公聴会には、日米関係に精通した5人の専門家が出席した。

 この会に招かれ、冒頭のように「アメリカへの愛と感謝」を表明したのが、藤崎一郎駐米大使だ。日本の駐米大使がアメリカ議会の公式会合で発言したのは、実は初めてのこと。大役を任ぜられた藤崎大使は、緊張した面持ちでスピーチを行い、

「日本は変わります。生まれ変わります。しかしそれには仲間が必要です。その仲間とはアメリカです。この困難な状況の中で、我々を支えてくれることに感謝します」

 と、重ねてアメリカの支援に対する感謝の意を表明した。

 この公聴会の模様は日本では大きくは報じられていないが、実は震災後の日本がアメリカにどう見られているのかを知る、非常に重要な公聴会だった。公聴会には知日派の議員や専門家のみならず、『トモダチ作戦』に参加した救助隊の隊長も登場。

 被災地の状況や活動の報告が行われ、日米間の友好関係が演出されたのだが、一方で出席者からは日本の将来に対する複数の懸念が表明された。彼らの発言から、震災後の日本の相対的な国力の低下が、図らずも浮き彫りになってしまったのだ。

 藤崎氏のスピーチの後、バージニア州フェアファックス郡の消防救助隊隊長であるロバート・ゾルドス氏の報告が始まった。ゾルドス氏は17年間災害救助活動に携わり、今回も日本に派遣された、救助のプロフェッショナルだ。アメリカに帰国後、「数多くの任務に参加してきたが、これまでの任務と比べ、今回の津波での行方不明者の捜索は最も困難だった」と神妙な面持ちで語ったことが、米国でも大きく報じられた。

 ゾルドス氏は多くの困難に見舞われた救助活動の模様を報告し、

「被災者のなかには家族、友人、家、仕事を失った人もたくさんいます。しかし私たちは彼らから、とても親切な対応で迎え入れられました。決して忘れることはできないでしょう」

「生存者を一人も発見できなかった。これは私たちにとって、とても受け止めがたい現実でした。しかし、日本に災害派遣されたことをとても誇りに思っています。どこに行っても、こんな大災害に見舞われたにもかかわらず、忍耐強く、気力に満ちた日本人がそこにはいたのです」

 と、日本を見舞う言葉と、大災害にも負けない日本人の力強さに敬意を表した。この報告を皮切りに、公聴会の出席者らは一様に日本の復興に対する期待と賛美を口にしだした。

「日本は必ず復活する。日本は偉大な歴史をもった偉大な国である」(アーミテージ・インターナショナル共同代表のランドール・シュライバー氏)

「日本が世界から素晴らしい国だと認識されていることを忘れてはならない」(戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン上級顧問兼日本部長)

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