「同じ場面で何度も繰り返し泣いたりして、『作られたインタビューだ』という印象を持たれた方もいると思います。テレビ各局のインタビューを相次いで受けたのは、騒動を最小限に収めたいという気持ちが働いたからでしょうが、『暴力団が胴元という認識はなかった』と強弁するのは正直、どうなのかなと思ってしまいますね」(日本相撲協会元外部委員の漫画家・やくみつる氏)
不祥事が噴出する相撲界のなかでもひときわ素行が悪いとされ、「すべてにおいて(悪事の質が)突出している」(特別調査委員会)とまで言われた大嶽親方(元関脇・貴闘力、42歳)が、テレビ各局のインタビューを受け、涙ながらに弁明・謝罪した。
「僕は10年でも行きますが、若い力士には、もう一度チャンスを与えてあげてください。お願いします! お願いします!」
と、自らは逮捕・懲役まで覚悟しているかのような発言をし、名横綱・大鵬の三女である美絵子夫人と離婚することまで明らかにした。二人の間には高1を筆頭に4人の息子がおり、次男以下の3人が力士を目指している。
大嶽親方は各社のインタビューに、「暴力団との関係はいっさいない」「自分が野球賭博で勝ったカネ500万円を、胴元から返してもらうように琴光喜を通じて頼んだだけ」などと答えているが、それがなぜ「琴光喜恐喝事件」にまで発展するのか、何度聞いても釈然としない。
野球賭博の仲介役を務める都内の飲食店店主は、大嶽親方の名前を暴力団関係者から何度も聞いていたという。
「以前から派手に遊んでいるという話はよく聞いていました。胴元だって、本来なら賭博を表沙汰にして稼ぎ口を失うようなことはしたくない。しかし今回、恐喝事件にまで発展したのは、大嶽親方が相当ヤバいところまで踏み込んだからです。
大嶽親方は、(96年に不審死を遂げた)大鳴戸親方のようになりたくない、というのが本音でしょう。喋ってはいけないことを喋れば、懲役刑や離婚どころでは済まないことになりますから」
野球賭博の胴元になるには、両チームの投手力を読みきったうえでハンデを切る情報力、客を集めるネットワーク、さらに資金力が必要で、広域暴力団が長く資金源としてきた。
少しでも野球賭博にかかわった経験があれば、暴力団の影を感じないはずがない。大嶽親方は、それを承知で深みにはまっていったというのが真相だろう。
その結果、大嶽親方は地位も、財産も、妻子も、過去の名声もすべてを失うことになった。前出のやく氏はこう話す。
「先日、大鵬さんの古稀を祝う会があり、その席で大嶽親方から『これからも応援してください』と言われました。そのときにはすでに琴光喜の野球賭博問題が表面化していたんですが、大嶽親方の名前は出ていなかった。あのときは必死で虚構の姿を作っていたんでしょうね」
このパーティには、大嶽親方の4人の息子たちも出席していた。4人は来客に挨拶し、大嶽親方もそれを笑顔で見つめていたという。
「大嶽親方の三男は、6月27日のわんぱく相撲東京都大会の小学5年生の部で圧倒的な強さで優勝しています。体は特別大きいわけではないのですが、6年生にも勝てそうなくらいの勢いでした。昨年は、4年生の部で全国準優勝しています。将来が楽しみですね」(大会関係者)
大嶽親方の義父・元横綱大鵬の納谷幸喜氏は、婿の不行跡に頭を痛め、
「後援会から来るカネは触わらせない」
と言っていたという。大鵬氏が主導して、来年には6億円をかけた新しい部屋が完成する予定だった。
「孫たちが力士になるまでは、部屋を守りたいというのが大鵬さんの願いだったんです」(後援会関係者)
大横綱だった義父と、孝行息子を泣かせた大嶽親方の罪は限りなく重い。
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