毎日フォーラム~毎日新聞社

平泉、小笠原諸島が登録の見通し
[世界遺産]今月下旬にユネスコ委員会が正式決定へ

2011年06月11日(土) 毎日フォーラム
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藤原清衡により造られた金箔張りの中尊寺金色堂=岩手県平泉町で08年5月

 日本政府が文化遺産に推薦している「平泉」(岩手県平泉町)と、自然遺産を目指している小笠原諸島(東京都小笠原村)が、世界遺産として登録される見通しになった。それぞれ「国際記念物遺跡会議」(イコモス)と「国際自然保護連合」(IUCN)がこのほど「登録が適当」と評価したからだ。6月19~29日にパリで開かれる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で正式に決定される。

 世界遺産は、顕著で普遍的な価値のある人類共通の宝物を損傷や破壊から守る制度で、1972年にユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づいて登録される。文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類がある。世界での登録総数は昨年8月現在で911件に上り、新規の登録は抑制される傾向にあり、諮問機関の審査が厳しくなっているといわれている。

 登録が決定すれば、日本の世界遺産は、文化遺産が07年の「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県大田市)以来の12カ所目。自然遺産は05年の知床(北海道)に次いで4カ所目となる=表参照。

 平泉が登録されると、東北地方では初めて、国内で最北の世界文化遺産になる。12世紀の平安時代末期、奥州藤原氏4代が約100年にわたり、都の文化を受容しながらも独自に発展させて栄華を極めた。

 最も繁栄したとされる三代・秀衡の時代には人口が5万~10万人ともいわれ、当時の京都とも肩を並べるほどの文化、経済ともに一大拠点だった。

 初代の清衡が奥州を舞台に争われた前九年・後三年の役の犠牲者の霊を敵味方なく慰めるために建立したとされる中尊寺をはじめとする寺院や庭園群が、浄土思想を具現化した貴重な文化遺産と評価された。

 前回登録を目指した08年は、イコモスは「登録延期」とし惜しくも〝落選〟の憂き目を見た。政府は10年1月、それまでの9資産から、「浄土思想の表現」に強く関わりが明確な6資産に再構成して再推薦した。イコモスはそのうち奥州藤原氏の居館だった「柳之御所遺跡」をはずすなどの一部見直しを求めたというが、浄土思想に絞って分かりやすく伝えたことが奏功したとみられる。

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