財務省に洗脳された菅直人総理と追随する朝日新聞がもたらす「二番底」の危機「増税が評価されて金利が下がる」の噴飯

2010年07月05日(月) 高橋 洋一
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 一国の総理がこのような経済のイロハも知らずに、間違ったことを公言してはいけない。

 選挙中であっても、総理へは各国の金利情報などが官僚から伝えられる。私の経験からいえば、 その際、菅総理発言のようなデタラメな説明を官僚がすることはまずない。だから、菅総理が被洗脳者として自律活動をしたのだと、私は思ったのである。

 もし霞ヶ関がデタラメの説明をしたのなら、菅総理は消費税増税を言い出したことですでに役目を果たしたので、もう用済みだということかもしれない(官僚にとって総理といえどもその目的達成のために「使い捨て」なのだ)。

 財政再建はもちろん重要だ。そのために必要な増税は、国民の納得感がなければいけない。

 その手順は第一に成長して増収すること、第二に埋蔵金など資産売却をすること、第三は公務員給与などの歳出カットだ。そのうえで必要な増税額がでてくる。今の議論は、そうした手順なしでいきなり消費税率10%が出てくるので、国民から反発をくらうのである。

 ただ、消費税増税で洗脳された菅総理は、埋蔵金も否定する。

 4日、テレビの党首討論で「みんなの党は、埋蔵金というが、政権をとってみるとできない。労働保険での埋蔵金5兆円というが、法律改正が必要で、筋悪な政策だ」といった。

 これに対し、渡辺喜美みんなの党代表は、「民主党は脱官僚をやめたからできない」と反発したが、まさにそのとおりだ。

 労働保険は、厚労省内の旧労働省の天下り先ネットワークの金づるだ。私の仕事館で有名な雇用能力開発機構へ資金を供給している。厚労省内では旧厚生省官僚にも手をつけさせない旧労働省官僚の聖域になっている。

 菅総理が発言した「法律改正が必要」というのは、役人のロジックである。国会議員は法律を作るのが仕事だから、法律を改正すればいい。それをできないといい、「法律改正が必要」などと役人用語を言うようになったのは、菅総理が霞ヶ関の洗脳に染まった証拠である。

 なお、労働保険がデタラメなのは、保険といいながら、きちんとした保険数理計算を行わずに、高額な保険料を労使からむしり取っているからだ。そうした事実を菅総理は知らされていない。

 もっとも菅総理だけでなく、増税指向はマスコミにもいる。

 2日付けの朝日新聞社説は、「税金を高くすると消費が低迷し、成長を損なうと懸念する声も、あって当然だ。だが、近年の経済指標を分析すると、いちがいにはいえないことがわかる。

 税金が高く社会保障支出が大きいスウェーデンも、税が安い米国に匹敵する高成長を維持してきた」と書いている。これはミスリーディングだ。

 「経済指標を分析した」と書いているが、おそらく官僚からの聞きかじりで、自らは分析していないのではないか。

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