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 人生には、時々「想定外」が起こるものだが、今回の想定外は、あまりにできすぎた話だった。そこで、突然ひらめいた。

キンドルかiPadか?

 私は、電子ペーパーコンソーシアムの委員長を務めているので、アマゾンのキンドルや、ソニーの電子ブックの情報がふんだんに入ってくる。キンドルは近いうちに日本に上陸してくるだろう。

 一方、アップルは、日本で5月28日にiPadを発売している。iPadはディスプレーが液晶なので、電子ペーパーではないが、電子ブックとして隣接領域になる。そこで、多くの人から「キンドルとiPadはどっちが勝つか?」という質問を受ける。

 これは愚問というべきもので、この2種類は草食動物と肉食動物ぐらいの差がある。最大の差は、画面のリフレッシュ時間だ。キンドルは電子ペーパーという制約で、画面の切り替えに0.5秒ほどかかる。このスピードでは動画は表示できないし、Webとのインタラクションも不自由だ。そして、画面へのタッチ操作ができない。

 iPadはきれいなカラー画面で、動画も表示でき、Webはスイスイ、マルチタッチで遊べる。

 そうした点から、キンドルは本の性格を色濃く残したコンテンツの表示で、ユーザーを獲得していくだろうと思われる。一方、iPadは、パソコンにかなり近い使われ方をするだろう。ゲーム的な用途も広がるだろう。

 iPadの弱点は700グラム前後の重さだ。バッグに入れて持ち歩くには、キンドルなみの400グラム前後まで減量しないと無理だろう。

 そこで、私は、普段はデジタルフォトフレームのように、卓上に立てるとか、壁に掛けておき、時々持ち出すという使い方が主流になると考えていた。その場合に、iPod用の数秒で画面を変えながらニュースや写真を放映するネットサービスが出てくるということもあり得るとも。

絵本の世界はiPadが主流になる!

iPadに夢中になって遊ぶナノちゃん 富山県・五箇山の民宿にて

 iPadの日本版が発売された翌日の5月29日、私は慶應義塾大学の学生やOB、OGなどを伴って、岐阜県の白川郷経由で、富山県の合掌造り集落・五箇山にバイクでツーリングをした。

 夕方、民宿に到着したら、囲炉裏端にジーンズ姿の米国人夫婦が座っていて、iPadを操作していた。「どこから、いらっしゃったのですか?」と聞くと、「シリコンバレー」。何とアップル本社の部長夫妻だった。

 夕食後、民宿の女将のお孫さんが出てきて、iPadで遊び始めた。

 

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