世界経済の不透明感高まる---バブルの後始末が終わらない欧米諸国
昨年5月にIMF等からの支援を受けたギリシャについては、ここへ来て、一段と状況は厳しさを増している〔PHOTO〕gettyimages

 足許で、楽観的な見方が有力だった世界経済の先行きに黄色信号が灯っている。ここへ来て、堅調な展開を辿ってきた米国経済の足取りが怪しくなっている。また、ギリシャや、アイルランド、ポルトガルなどの欧州諸国は、ソブリンリスクの高まりに苦しんでおり、いまのところ問題解決の糸口さえ見えない。

 こうした状況の背景には、欧米諸国が、世界的な不動産バブルの後始末を終わらせていないことがある。世界的な不動産バブル崩壊によるバランスシート調整が、未だ終了していないのだ。今後、こうしたリスクがさらに顕在化するようだと、世界経済が再び、下落傾向を辿るシナリオが現実味を帯びてくる。

労働市場の回復遅れる米国経済

 6月3日、多くの経済専門家が、固唾をのんで見守る経済指標が発表された。米国の雇用統計指標だ。米国の失業率と非農業部門の雇用者数の変化は、不動産バブルの崩壊に続くリーマンショックで、大きな痛手を受けた米国経済の回復度合いを見極めるために最も大切な指標である。

 発表前から、「それらの指標はよくはないだろう」という感触はあった。しかし、当日発表された数字は、市場の予想よりもはるかに悪い数字、つまり、景気回復が遅れそうな数字だったのである。失業率は9.1%と2ヵ月連続で悪化し、非農業部門の雇用者数も前月対比僅か5万4千人増と、事前予想平均の約17万人増をはるかに下回る結果となった。

 この結果を見る限り、米国経済の回復基調に変調が見られる。労働市場の回復が遅れると、米国の家計部門には厳しい状況が続く。それに加えて、ガソリン価格の上昇や、住宅価格の下落が個人消費の伸びを抑えてしまう。今後、米国経済の回復ペースは減速する可能性が高いとみるべきだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら