経済の死角

「東電任せでは10万tの汚染水が流出!」

原発を豪雨が襲う

2011年06月11日(土) フライデー
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放水車を使い、1号機のタービン建屋の屋根や壁に放射性物質の飛散防止剤を散布する。放射性物質の拡散は、流出した汚染水により海にも広がっている(東京電力提供)

「死にに行くようなもの」水浸しの建屋内を作業員がそう語る中、東電の対策は土嚢積みというお粗末さ。いつまでたっても「循環冷却」にたどり着けない!

 東京電力(以下、東電)は、5月18日に福島第一原発の汚染水の総量が10万tに及ぶと発表した。これだけ大量の汚染水で溢れかえる福島第一にとっては、恐ろしい予報だろう。6月以降、梅雨や集中豪雨、台風などにより、激しい雨に襲われることになりそうなのだ。

 気象業務支援センターの専任主任技師・村山貢司氏が解説する。

「東北地方は6月上旬には梅雨入りし、例年より雨量が多く、雨期も長くなりそうです。8月以降は、特に注意が必要でしょう。北冷西暑型という気圧配置になり、東北や関東で局地的な大雨に見舞われる可能性が高いのです。福島でも1時間に100mmを超えるような、猛烈な雨が降るかもしれません。台風や低気圧の動きはある程度予測できますが、ゲリラ豪雨は数時間前にならないと予測不能です。常に空模様を警戒していないと、大きな事故を引き起こすことになります」

 大量の放射性物質を放出する福島第一に降り注ぐ雨は、そのまま汚染水となって敷地内に溜まる。これまで多くの汚染水問題を起こしてきた福島第一だが(次ページ表参照)、〝豪雨の季節〟を迎えさらなる危機に直面しているのだ。

 現に台風2号の影響で大雨となった5月30日には、1号機原子炉建屋地下1階の汚染水の水位が、前の日から198mm上昇している。福島第一で働く作業員たちも、増える一方の汚染水を恐れ、作業が滞り始めていると言う。東電の協力会社で働く吉岡和久さん(30代、仮名)が明かす。

「5月30日の早朝、元請け(親会社)の所長から『今日の仕事は急きょ中止にすっから』と連絡が入ったんです。所長は中止の理由を言いませんでしたが、おそらく建屋内に雨水が溜まり、作業どころではなくなったのでしょう。

 俺たちは内心ホッとしました。5月に入ってから少しずつ建屋内の作業が増えたのですが、床は水浸しで、天井からは不気味な水滴がポタポタ落ちてくる凄まじい状況なんです。

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