郷原信郎・弁護士インタビュー vol.2
「東京、大阪両特捜部の杜撰な捜査はなぜ起きたのか」

vol.1 はこちらをご覧ください。

田原 陸山会が世田谷に買った土地の購入資金4億円がどういうカネかを、もっとしつこく調べる手、も検察にはあったんじゃないかと思うんです。

郷原 しつこく調べると言っても、10年くらい前から現金にして自宅に保管していたという話を、ウラを取るのはなかなか難しいですよ。

田原 なるほど。それで結局、検察は小沢さん(一郎・前民主党幹事長)を不起訴にするわけですね。

郷原 それでも小沢氏の元私設秘書で会計事務担当だった石川知裕衆院議員を起訴しました。

田原 あれはどういう起訴なんですか。

郷原 小沢さんの自宅で保管していた現金4億円を、不動産代金に充てるために一回、陸山会に持ち込みそれで代金を払った。そこの点が収支報告書に記載されていない。それが一番主な事実です。

田原 2ヵ月でしょう、遅れたのは。

いつの間にか消えた水谷建設の5000万円

郷原 そこのところは、「4億円の収入があった」と検察は構成したわけです。4億円が陸山会の収入だと。

 そして「その収入が小沢さんの家から現金で入ってきたっていうところを表に出したくない。そこを隠そうとして、収支報告書に書かなかったんだ」と。

田原 そこですね。

郷原 実際におカネが入ってきた事実はある。でも、本当にそれが収支報告書に記載しないといけない事実であったかどうか。ここにもいろいろ問題があるんです。

 ところが検察はそれを、言ってみれば形式的は話だけで石川さんを起訴した。

 さらにその形式的な話だけで、小沢さんについても共犯で起訴ができるんじゃないか、そういう話になっていったわけです。

 最初は、水谷建設からの5000万円という話がなければ、こんな事件なんて影も形もないと誰もが思っていました。

 ところが5000万円の話がだんだん苦しくなってくると、その話はどこかに棚上げにされてしまった。

 「4億円が小沢さんの家から入ってきたということになったら具合が悪いから、それを隠そうとした、それだけでも立派な犯罪だ」と言い始めたわけです。

 それで「小沢氏、聴取」という話になって。あたかもその4億円の収入を隠そうとして自分が持ち込んだ現金を収支報告書に記載していなかった、という事実で小沢さんが起訴されるような話になっていったんですよね。