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堕ちたニッポンの現実 完全に「上から目線」 ああ中国にここまでなめられるのか
菅総理よりSMAPを優先した温家宝、
農産物の「輸入制限解除」もまやかしだった
〔PHOTO〕gettyimages

なんでエビアンなの?

 日本の凋落---。日中韓サミットの映像を見て、こう感じた人も多かったのではないか。かつて世界第2位の経済大国としてアジアに君臨し、中国・韓国に救いの手を差し伸べてきた日本が、いまは逆に支援を求めている。

 中韓両国の首脳が被災地を訪問すれば、日本のトップがつくり笑いを浮かべながら付き添って歩いている。二人が福島産の野菜を口にすれば、「食べてくださってありがとうございます」と頭を下げる。原発事故を起こし、深手を負ったとはいえ、日本はそこまで落ちぶれたのか、と心にさざ波が立つ。

 もちろん日本のメディアは、この非常時に訪日し、被災地を訪れた両国首脳のニュースを大々的に扱った。しかし中国国内の反応はまったく違うものだった。中国の大手テレビ局ディレクターが語る。

「先の日中韓サミットについて、中国の報道関係者の間で話題になったことと言えば、サミットの会場から送られてきた映像で、3ヵ国の首脳や随行団一人ひとりの机にエビアンが置かれ、皆うまそうにゴクゴク飲んでいたことです。まるでエビアンのCMを見ているようで、さぞかしフランス政府は喜んだことでしょう。日本は『水の国』なのに、あれほど多くのテレビカメラが並んだ前で、なぜ自国のミネラルウォーターを宣伝しないのか。本当に外交がヘタな国だと、呆れてました」

 温家宝首相が訪日し、菅直人首相とともに福島の被災地区を訪れた5月21日。視聴者9億人と言われる中国中央電視台の夜7時のニュース番組『新聞聯播』は、北京を訪問中のパキスタンのギラニ首相の動向を、トップ・ニュースで伝えた。今年は中国とパキスタンの修交60周年にあたり、胡錦濤主席もパキスタンのザルダリ大統領に祝電を打ったことなどが、冒頭から10分近く報じられた。

 続いて、ナミビアを訪問中の呉邦国・全人代常務委員長(国会議長)の動向が、5分ほど伝えられた。中国がアフリカの友好国といかに親密な関係を築いているかが詳細に報じられた。

 そして3番目のニュースとして、ようやく温家宝首相の訪日中の様子が報じられる。といっても、福島であぐらをかいている映像が、ほんの1分ほど流されただけだった。温首相の訪日は、中国の国民にとっては大したニュースではなかったのである。

 実際、普段は党や政府首脳の重要な外遊には必ず同行する、各局の専属アナウンサーが、今回日本に派遣されなかったことからもそれは明らかだ。冒頭に登場した中国のディレクターはこう語る。

「温家宝首相の訪日が、中国人にとってなにか意味があるとすれば、『中国が日本を助ける』という立場になったという、その一点のみです。'08年に起きた四川大地震で、日本の救助隊が中国で大変な活躍を見せましたが、中国国民は感謝する一方で『また日本に助けられた』という気持ちも持っていたのです。今回温首相が日本の被災地を見舞ったというニュースは、『中国が日本を助けに行く』というイメージを喚起し、国民の溜飲を下げたことでしょう。しかし、それ以上の意味はないのです」

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