財界きっての論客として知られる丹羽宇一郎・伊藤忠商事相談役(71歳)が「次期駐中国大使に就任」と報じられ、菅政権による「民間人の異色の大抜擢」として注目を集めている。
「丹羽氏は北京市長の国際企業家顧問を務めており、北京五輪にも夫婦で招待されている。中国では国賓レベルの扱いを受けています」(全国紙編集委員)
伊藤忠は故・瀬島龍三会長の時代から、日中共同の海底油田開発に携わるなど、商社の中で中国と最も太いパイプを誇ってきた。そのトップが、脱官僚政策のもとで駐中国大使に就任するというのだから、結構なことのように思えるが、「丹羽氏の人事には、財界、特に経団連から大きな不満と批判の声が出ています」(全国紙経済部デスク)。
経団連では、米倉弘昌会長が6月7日の定例会見で、「民間から(しかも)商社からというのは異例中の異例で、まったく驚いている」と、丹羽氏抜擢に強烈な牽制球を投げた。
さらに、「主要国の大使になると、さまざまな利権が絡んでくる可能性がある」と、取りようによっては、丹羽氏の中国利権への関与を予言するかのような発言も飛び出した。
「中国大使の人選については、経団連に相談や打診があるのが通例でした。ところが今回はそれがなかった。民間企業からの起用だというのに・・・伊藤忠は財閥系企業ではなく、丹羽さんを含めて非経団連、非財界派です。それも経団連には面白くないのです」(前出・経済部デスク)
丹羽氏を直撃すると、「(中国大使の就任要請は、6月9日の時点で)まだ正式には聞いていませんよ」とサラリ。しかし本誌記者が米倉氏の「利権発言」をぶつけると、
「そんなバカなことを・・・。(利権が絡みがちだというのは)一般論としては正しいよ。でも仮にそういうこと(大使就任)があっても、利権なんてバカなことを考えていては仕事になりません。国益を考える仕事だから」
国際派経営トップは名外交官になれるのか。
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