雑誌
日産──ダイムラー提携で生まれる新型車!!
大反響!! Zにディーゼル搭載説に

日産──ダイムラーの提携は双方にメリットがあることがわかってきた。
いいとこ取りで生まれるクルマの可能性を探ってみた

フーガ、スカイラインがEクラスの兄弟になる!

 本誌が前号で、フェアレディZにベンツ製ディーゼルエンジンが搭載される可能性を報じたところ、読者の反応の素早さに驚かされた。編集部への問い合わせ殺到はいうまでもないが、関係者のツイッターやブログでこの話題が発信され、瞬く間に広がったようだ。

 それだけ、今回の提携への読者の関心と期待が高いことを現わしているわけだが、気になるのは提携の効果がいつ頃、どのような形で具現化するか。つまりは、日産とベンツという強力なタッグが魅力的なクルマを出してくれるかどうか、に集約される。

 その可能性を探る前に、今回の日産・ダイムラーの提携が本当に両者にとってメリットがるものなのか、経済評論家の水島愛一朗氏の見解を聞いた。

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三社ともメリットのある現段階でベストパートナー

 この4月に合意された日産・ルノー連合とダイムラーの資本・業務提携は、それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるのだろうか──。

※評価額は日産の発表資料による。また1ユーロは120円で換算

 まず3社にとっての共通のメリットは、'09年の世界販売台数実績ベースで、先に包括的に資本・業務提携したフォルクスワーゲン(VW)・スズキ連合の860万台、トヨタ自動車グループの781万台に次いで、764万台に達する第3位の自動車連合としてのスケールメリットだ。技術供与や部品の共有化や販売協力によって、3社連合の世界販売台数は今後大きく伸びる可能性がある。

 細かく見ていくと、まずダイムラーにとっては、ルノーの小型車技術と日産の電池自動車(EV)技術を手に入れることができるメリットがある。ダイムラーは、'08年の金融危機によって主力の大型車中心のメルセデスブランドの販売力が世界的に低下。その結果、昨年3月にアブダビ首長国の投資会社アーバル・インベストメンツに19億5000億ユーロ(当時のレートで約2540億円)の第3者割当増資を実施し、急激な業績悪化に対処するための資金を緊急調達している。自動車を発明したメーカーとして早くからハイブリッド(HV)や燃料電池(FCV)の実用化技術を持ちながら、ダイムラーがなかなか環境対応技術車の量産体制へと踏み切れなかったのは、ドル箱の高級ブランドに固執するあまり、小型車技術への転換に遅れたためだといわれる。また、すでに宣言しているメルセデスの全車種ハイブリッド化のためにも、電池技術への巨額な研究開発資金が必要になってくる。今回の資本・業務提携がダイムラーからルノーに持ちかけられた経緯を見ても、最も提携メリットを感じているのはダイムラーであるといえるだろう。

 いっぽう、日産・ルノーにとっても、ダイムラーとの提携は大きなメリットがある。ダイムラーと同様に、欧州市場において'08年の金融危機の深刻な影響を受けたルノーは、'09年12月期連結決算で30億6800ユーロ(当時のレートで約3900億円)の純損失を計上。このため、世界市場においてルノー製の小型車をダイムラーに供給できれば業績のV字回復を見込めるわけだ。

 さらに日産にとってもメリットは大きい。ダイムラーとの提携によって、今年後半に世界市場に投入するEV量産車「リーフ」の要であるリチウムイオン電池の共有化による量産効果に加え、今後想定されるEV向けの巨額な研究開発費も分担できるからである。

 今回の提携によるデメリットは、いまのところ見当たらない。あるとすれば、将来的にこの資本・業務提携が破談になることだろうか。かつて三菱自動車工業やクライスラーとの提携・経営統合を2度破談させているダイムラーだが、今回の提携がもし破談した場合、最もデメリットを受けるのは最もメリットを期待していたダイムラーということになるだろう。

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 水島氏によれば、まずはウィンウィンの関係でメリットだけのようだ。では今後、どのようなクルマが生まれるのかみていこう。

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