私が菅直人首相に国会で問いたい「これだけの疑問」

 菅直人内閣が発足した。世論調査の内閣支持率は、60%を超えており、小沢隠しに成功したようである。しかし、表紙を替えたからと言って、政策の中身が変わったわけではない。相変わらずの社会主義的ばらまきである。

 とりわけ、「最小不幸社会」を掲げる菅首相の施政方針演説を聴いていて、その政治哲学や政策について、多くの疑問がわいてきた。

 15日の参議院本会議で、新党改革を代表して、首相に直接質問する予定であるが、私が何を疑問に思うかを書いてみたい。

 鳩山内閣は、政権就任後、8ヵ月の迷走の末、退陣したが、副総理という重職にあった菅首相は、その責任をどう認識しているのか。 

 また、昨年の総選挙のときに国民に約束したマニフェストは、守っておらず、この国民に対する公約違反をどう説明するのか。

 私が、一貫して主張してきたように、連立政権のあり方も問題である。

 選挙で集票する、そして、国会、とりわけ参議院で多数派を形成するためだけの、数あわせの連立で、政策について都合のわるいところは沈黙、また合意した内容も反故にするというのなら、この連立政権そのものが国民に対して背信行為を行ったことになる。

 社民党が普天間問題で連立政権から離脱し、国民新党は郵政法案の取り扱いをめぐって亀井大臣が辞任するという事態は、まさに異常である。これからも、何らかの形で連立政権の時代が続くことが予想されるが、菅首相は、連立政権のあり方、いわば「連立の作法」というものについて、どのように考えているのか。

 政治とカネの問題については、小沢一郎民主党前幹事長が国会で説明責任を果たしたとは言い難い状況である。今後、国会で証人喚問などの形で国民の代表である私たち国会議員に小沢氏がきちんと説明すべきではないのか。

 それに関連して、政治浄化のために、私たち新党改革は企業団体献金の全面禁止を政策に掲げているが、民主党政権になってから、政権与党が、企業のみならず、労働組合と癒着していることが明らかになった。企業団体献金を禁止しないのか。

 行政組織や国家公務員制度の見直しについては、公務員の数を何年かけてどのくらい減らすのか、具体的な工程表を示してほしいものだ。私たち新党改革は、「まず隗より始めよ」、国会議員定数の半減をうたっているが、国会議員の定数削減について断行すべきではないのか。

 次に、郵政事業については、菅首相は、「民主党と国民新党の合意に基づき、郵政改革法案の速やかな成立を期してまいります」と述べたが、この法案には問題点が山積している。

 たとえば、郵貯、簡保の限度額を、それぞれ、2000万円、2500万円に引き上げることなど、民業圧迫も甚だしい。このような問題点を残したまま、総理は、郵政改革法案を原案のまま成立させるのか。

「第三の道」は結局、ケインズ主義ではないのか

 社会保障の財源確保が、政府の重要な課題である。8ヵ月にわたる財務大臣在任中、この問題について、明確な方針を示さなかった。どのようにして、「強い財政」を実現するのか。私たち新党改革は、法人税を20%台にする、消費税を福祉目的税化して増税するという提案をしているが、首相の税制改革案を具体的に示してほしい。

 首相は、超党派の「財政健全化検討会議」を提案しているが、経済政策についての哲学の一致を見ないまま、党派を超えて財政健全化を議論しても実りある結論は出ないであろう。

 菅首相の提案する「第三の道」路線は、基本的なケネジアン(ケインズ主義者)の立場に立脚するかぎり、自らが批判する公共事業中心の「第一の道」と変わらないのではないか。

 たとえば、介護分野への投資は内需拡大効果が大きいとしても、それだけで日本のGDPを大きく拡大させる効果は望めない。

 国際社会の中で、日本国がどのようして競争力を強化し、富を蓄積するかという視点がなければ、お金が天から降ってくるわけではないので、首相のいう「第三の道」は作文としては通用しても、現実に日本国を経営する観点からは破綻すると思う。

 鳩山政権の8ヵ月は、これまで歴代政権が営々として築いてきた日米関係の信頼性を失墜させ、沖縄県民の心を弄ぶものであった。菅首相は、日米関係をどのようにして修復し、また、沖縄県民の信頼をどのようにして回復させるのか。

 菅首相は、失われた20年の原因として、政治的リーダーシップの欠如を指摘しているが、制度の側面もまた大事である。強力な政治的リーダーシップの下で、政官業、そして労組の癒着に見られるような旧弊を打破し、新しい国のかたちを創らねばならない。新しい国のかたちを明示して、国民の信を問うべきである。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら