田原総一朗×上杉隆vol.1 「私が体験した『政治とカネ』のすべて」民主党政権も明かせなかった「政界とメディア」最大のタブーに挑戦する

2010年06月04日(金) 田原総一朗
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田原:なんで上杉の質問なんだと、うちの記者の質問じゃないんだと。彼らは非常に悔しい思いをしながらのっけてるんですよ。

官房機密費はメディア側の問題だ

上杉:ぼくは構造的な問題だと思うんですよ。あれ書いてるの社会部じゃないですか、社会部は法律上の違法性とか、取材もしてるわけですけど、政治部は永田町で政局ばかり取材してる。記者会見には政治部しかいないんですよ。何人かに「なんで社会部いないんですか、今日こそ追い詰めるチャンスじゃないですか」と聞いたんですよ。

 でもいないんですよ。セクショナリズムで部を超えられない。同じ社なのに。政治資金規正法、公職選挙法とか、政治部は基本的に取材してないのでわかんないんですよ。違法性の部分は彼らは知らない。

 その証拠に終わった後に、僕は会見場で8社ぶらさがれたんです。1コ1コ、解説したんです、今の質問を。当時記者クラブも、向こうのほうが嫌ってなかったから。

田原:まだ嫌われてなかった(笑)。

上杉:解説して、なかには地上波(テレビ)で解説しながら結んだんです。それほどわかってなかったんです。それはみんなで情報を共有すればいいんです。いろんな人が入って、いろんな質問をすればそういう結果になって、いいわけですよね?

田原:でもね、今上杉さんは新聞記者を批判してるけど、いいことじゃないですか、上杉さんにとっては質問するチャンスがあって。新聞記者がバンバン質問したら困っちゃうじゃない、出番なくなっちゃって(笑)

上杉:今記者会見で質問できるのは、民主党の会見と岡田外務大臣と、原口総務大臣と、亀井金融大臣だけなんですよ。

田原:あ、そうなんですか? 総理大臣は?

上杉:総理大臣は1年に1,2回しか開かないので。今回も開かなかったですね。官房長官はウソついて1回も開いてない。

田原:ああ、そうですか。開かれた政治じゃないですね。

上杉:だからこそ、今日あえて樽床さんに質問したんですね。民主党の公約なんだから、そろそろ政権交代して10ヵ月経つので約束を守っていただければと。記者会見のオープン化、そして官房機密費ですよ。

 私個人としては官房機密費はあったほうがいいと思ってるんです。ただアメリカみたいに30年したら公開する、50年したら公開するとなったら抑止力になるんですよね。もらうほうも。たとえ100年先でも、これもらったら、100年後に自分の名誉が傷付けられるんだと思ったらもらわない可能性も高くなる。

 そういう意味では、今までのように記録が残らないというようなかたちじゃなくて、正当に国益とか、国民の利益のために使えばいいという感覚なんですけど。

田原:僕はね、機密費については、必要だと思ってるんですよ。それは何かと言うと、情報提供料ですよ。あるいはスパイですよね。そういう情報提供料としてはあるんでしょうね。ところが、政治家が外遊するときの餞別、勉強会、それから新聞記者、あるいは評論家へのお金になってる、これは問題です。

上杉:僕も正直、配る側は問題ないと思うんですよ。秘書だろうが、政党職員だろうが、海外の人間だろうが、記者、メディア関係者だろうが、配る政治側に問題があるんじゃない。受け取るマスコミ人に最大の問題があるんじゃないかとずっと言ってるんです。

田原:そこがね、僕も実際にそういう体験を何度もしてるんですが、ひたすら怖いんですよ。

上杉:怖い? やっと本題に入りました(笑)。

名刺がわりに100万円を出した田中角栄

田原:最初カネを提示されたのは田中角栄さんです。目白へ取材に行った。取材が終わった、すると「ちょっと田原君待ってろ」と。大きな金庫があるんですよ。それを開けて封筒を持ってきて、田中角栄って判が押してあるんですよ。「名刺がわり」だと。

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