今回の事業仕分けの目玉は、なんといっても、歴代総務省事務次官経験者がトップに天下っている「宝くじファミリー」だろう。宝くじファンを食い物にしている総務省のキャリア組の天下り先が、「宝くじファミリー」にはいっぱいある。
宝くじの売り上げは、年間約1兆円。そのうち当籤金にまわるのは46%しかない。これは海外の宝くじに比べて低い。残り54%のうち、40%は発行元の都道府県の収入になるが、14%は経費である。
銀行などの販売手数料もこの中から支払われるが、うち3%弱に相当する約300億円が、総務省からの天下り団体である自治総合センターと日本宝くじ協会に上納される。そしてそのカネはさらに、多数の「宝くじファミリー」に分配されていく。
どうして、こうした仕組みになっているのか。宝くじの発行体は都道府県であるが、その許可権は総務大臣が握っているからだ。発行を許可してあげる代わりに、一部を宝くじファミリーに上納させ、そこで天下りを受けるという構造になっているのだ。
宝くじファミリーの中核となっている自治総合センターは、08年度で約98億円の上納を受けた。同センターのオフィスは、山王パークタワーという首相官邸に隣接する一等地にあり、現理事長の二橋正弘氏は旧自治省(現総務省)の事務次官OBである。
二橋氏の経歴は、まさしく華麗だ。自治事務次官を退官後、01年「宝くじファミリー」の一員である自治体国際化協会理事長、03年小泉政権の内閣官房副長官、06年自治総合センター理事長、07年福田政権で再び内閣官房副長官、08年自治総合センター理事長に再任。
また、自治総合センター理事長は、歴代自治事務次官の天下りポストであり、二橋氏の5代前までの旧自治事務次官のうち、二橋氏を含めて4人がこのポストに座っている。
この宝くじファミリーの事業仕分けは、なかなか演出に富んでいた。公益法人側は、自治総合センター理事長の二橋正弘氏ら総務省OBのほかに、宝くじ発行体代表として、佐竹敬久秋田県知事、伊藤祐一郎鹿児島県知事らが出席していた。仕分け側は、尾立源幸参院議員、寺田学衆院議員らである。
実は、伊藤知事は総務省OBである。さながら、総務省OBチームと仕分け側の対決になったためか、佐竹知事らの非総務省系の法人側出席者からはあまり発言がなく、むしろ仕分け側を理解する声もあった。
伊藤知事は旧自治省時代に小沢一郎自治大臣の秘書官を経験している。そのため、立ち位置が注目されたが、二橋氏ら総務省OBの先輩が居並ぶ中、役所の年次意識が抜けず、先輩官僚OB擁護に回ってしまった。一方、仕分け側の寺田氏は寺田典城前秋田県知事の次男。知事選では佐竹現知事の対抗馬を推した因縁がある。
仕分けでは、宝くじの普及宣伝などの4事業に「廃止」判定が下った。さらに天下り役員の高額給料、豪華オフィスなどの無駄が解決されるまでは、宝くじ発売を中止するよう原口一博総務相に求め、傍聴席からは拍手も沸いた。
発行中止要求については、わずか4日で撤回されたが、「事業廃止」決定のほうは揺らがないだろうか。天下りの支援のために総務大臣許可が使われていたことが明白になったのだから、天下り禁止を標榜する民主党なら、厳しく対処することが期待されるのだが・・・。興味津々だ。
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