夢の新天地ブラジルへ!「500ユーロ世代」が大移動

フォーリャ・デ・サンパウロ(ブラジル)より PORTUGAL

2011年06月24日(金) クーリエ
リスボン(ポルトガル)の職業安定所に並ぶ求職者たち。〔PHOTO〕gettyimages

  深刻な若年層の失業問題を抱えるポルトガルの人々にとって、新興国ブラジルは給料面でも魅力的な移住先になった。

 財政危機が原因で、内閣が総辞職したポルトガル。この国ではいま、経済成長が著しいブラジルに熱い視線を注ぐ若者が急増している。職を求めて、母国のかつての植民地に移住することを夢見ているのだ。

「毎週のように、知り合いがポルトガルからやってきます。ブラジルの事情をメールで聞いてくる友達もあとを絶たなくて、いちいち返事を書くのが面倒だから、誰にでも送れる決まり文句だけのメールを作ったほどです」

 こう語るのは、今年からブラジルに住んでいる29歳のポルトガル人女性だ。

「車を売って、アパートの契約を解消し、飛行機に飛び乗ったんです」

 同郷のボーイフレンドと暮らしている彼女は、移住後サンパウロの通信関連の会社に就職した。

 彼女と同年代のポルトガル人は、自分たちの国に残っていても未来はないと感じている。母国では20%にまで上昇した若年層失業率に多くの若者が苦しみ、毎月およそ500ユーロ(約5万7500円)で暮らしている彼らは、「500ユーロ世代」や「文無し世代」と呼ばれるようになった。

フォーリャ・デ・サンパウロ(ブラジル)より

 ブラジル労働省によると、同国で労働許可証を取得したポルトガル人の数は、2006年~10年の間に67%も増加したという。許可証は、原則としてブラジル人労働者が不足している職種で、資格保有者や能力の高い人材にしか発行されないことになっており、取得が極めて難しい。

 しかし、複雑な役所の手続きなどの煩わしさも、許可証を得て働ける喜びを考えればなんでもないと、先の女性は語った。実際、給料面でもブラジルのほうがはるかに魅力的なのだ。

 旧宗主国におけるブラジルのイメージは、過去10年間に大きく変化したようだ。「ポルトガル中産階級のブラジルへの移住は、もはや珍しいことではない」と両国関係の専門家は語る。ポルトガル人がブラジルを発見したのは500年前ではなく21世紀なのだ、と言うポルトガルの若者も実際にいるほどなのである。

 

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