2011.06.18(Sat)

食料価格高騰で政府が奇策「コメは食べないで!」

ウォール・ストリート・ジャーナル(USA)より INDONESIA

筆者プロフィール&コラム概要
クーリエ
〔PHOTO〕gettyimages

 天候不良によってアジア各国で深刻化するコメ不足。インドネシアでは、国民の食生活を変えてしまうかもしれない。

 インドネシアの人々の主食はコメだ。年間消費量は、日本人の約2倍にあたる1人当たり125kgに達する。そのインドネシアでいま、政府主導で「コメは食べないで!」というキャンペーンが行われている。

 インドネシア政府は数十年にわたってコメの自給を目指してきた。そして数年前には、コメの輸入を禁止するまでになった。外国産の安いコメから国内のコメ農家を守るためだ。

 だがこのところ、天候不良などによってコメの収穫量は激減している。そこでインドネシア政府が下した決断に市場は驚いた。コメの輸入再開と備蓄増を決めたからだ。それだけではない。国際的に食料価格が高騰していることを理由に、なんとコメの消費量の削減に踏み切ったのだ。

 政府は、今後4年間でコメの消費を10%削減することを目指し、国民に協力を呼びかけるキャンペーンを行っている。大統領夫人のアニ・バンバン・ユドヨノ自ら「コメを食べない日を作りませんか」と語りかけるポスターまで作られた。

ウォール・ストリート・ジャーナル(USA)より

 同時に、キャッサバやサツマイモといった作物の生産を促す助成金プログラムを実施。コメの代用になるキャッサバを細かく削った「キャッサバライス」をはじめ、サツマイモやトウモロコシ、サゴヤシのでんぷんやその加工品などをコメの代わりに食べることも奨励している。

 今回の政府の政策転換で、インドネシア人のコメ離れが進むと見る人もいる。そもそも、国民の所得が増えれば、食生活の中心はコメから肉やその他の穀物へ移っていくはずだ。実際、1人当たりのコメ消費量はすでに減少傾向にある。

 遠くない将来、政府は「コメをやめて肉を食べよう」と呼びかけているかもしれない。

 

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