"iPhone原子炉"が世界を変える!?米国で開発が進む「原子力電池」

タイム USA

2011年05月29日(日) クーリエ

 福島第一原子力発電所の事故で揺れる、世界のエネルギー産業。そんななか、米国の企業が小型原子炉の実用化を進めようとしている。

 原子力潜水艦ならぬ、原子力で動く車やエアコンが生まれる日が来るのだろうか?

 すでに米国ではその動力源となる「原子力電池」の実用化が進んでいる。この冷蔵庫サイズの小型原子炉を開発したのは、米ロスアラモス研究所から分離した電力会社ハイペリオン・パワー・ジェネレーション。

 低価格で小型、かつ移動も容易なこの小型原子炉は、25MWを出力できる。これは、一般的な商用原子炉の40分の1の発電量に相当する。

 同社は2万世帯以下の市町村のほか、軍事基地や商業船での利用を想定している。電力を必要としているものの、社会インフラが未整備の途上国に適しているとの指摘もある。
「言わば"原子炉のiPhone版"だ。この技術は世界を変える」と同社CEOのジョン・ディールは息巻く。

 実際、小型原子炉に期待を寄せるエネルギー分野の関係者は少なくない。米エネルギー省長官スティーブン・チューも東芝やウェスティングハウスの商用原子炉と並び、ハイペリオンの小型原子炉を「新しい選択肢」として高く評価している。

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 しかし環境保護団体には、容認できないだろう。使用済み核燃料の取り扱いやテロリストに狙われる危険が危惧されるからだ。国際環境NGOのグリーンピースもハイペリオンに対して懸念を表明している。

 ディールは近い将来、予約済みの130基中100基近くを米国外で展開すると明かしている。

 同社はまだ、製造のための融資を募っており、製造認可も申請中だ。それでも数年以内には、製造に着手できると考えている。

 

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