大研究 人事はなぜ間違えるのか査定・リストラ・問題社員監視・・・人事部という 「社内スパイ」、秘密というストレス

2010年06月02日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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「人事部としては、そういう『有名人』になる前に、なんとか適所を見つけるべく、2年単位ぐらいで異動を繰り返すのですが、30代半ばを境に突然異動できなくなる。これはダメぶりが有名になりすぎて、どこの部署も引き受け手がなくなるからです。こうなると、人事部も大変だし、本人も不幸です」(広告代理店人事部員)

 最後に、社内のもろもろの情報に接する部署だけに人気コミックの主人公「特命係長・只野仁」のような役回りの人は実在するのだろうか。冒頭に登場した木下氏に聞いた。

「漫画のように役員からの秘密指令を元に動く者はいませんが、社員の不祥事だけを専門に担当している者なら、当社の人事部にいます。

 いわゆる懲戒処分担当です。社員が不祥事を起こした場合、本人や関係者から事情聴取をして、会社の懲戒規程に照らして相応の処分を上司に提案するのが仕事。まあ、因果なことですが、人事部というのは、こういう会社の陰の部分やドロドロした部分を担うのも仕事のひとつだということです」

 壁に耳あり、会社に人事部あり。あなたの会社にもいる、人当たりの良さそうな人事部員も、その心の中に様々な屈折と秘密を抱えているのかもしれない。

あなたの出世は最初から決まっている? 
有名企業これが「人事の掟」です


「東大出身者ばかりが社長になる」

「社内報担当経験者が役員に抜擢される」

「海外留学制度に応募する社員は出世しない」

 どんな企業にも、こうした「人事の掟」がある。ただ、それらはおおっぴらに公表されることはなく、社内でも知る人ぞ知る制度であることが多いものだ。

 有名企業・業界には、どのような掟が存在するのか。まず最初に、目に見えて最もわかりやすい社長人事のルールから紹介しよう。

 特定大学の出身者ばかりが社長を歴任している企業というのは、実は多い。

 たとえば、かつての鐘紡では初代社長から9代続けて、三越(現・三越伊勢丹HD)では初代から11代続けて慶応出身者がトップに就任した。これらは、慶応出身の三田閥による「学閥型」の会社だといえる。

 三菱重工と日本航空は、同じ学閥型でも、東大が幅をきかせている。財閥解体後に再結集した三菱重工では歴代社長9人中7人が東大卒、日本航空は初代から経営破綻するまで10人の社長が誕生したが、うち7人が東大卒だった。

 いずれにせよ、出身大学で最初から「社長になれる人・なれない人」が決まっているのだとしたら、他大学出身の社員にとっては辛いものがある。

 代わって、入社後に"挽回"がきくのが、「職務型」トップ人事の会社だ。特定の部門経験者が、社長に就く傾向にある会社のことを指す。

「労務畑」出身のトップが多いのはNTT。電電公社時代から基本的には事務系と技術系がたすき掛けで社長に就任してきたが、最近では前社長・和田紀夫氏も現社長・三浦惺(さとし)氏も労務畑出身となっている。

 そもそも、電電公社時代の'50年代に先鋭化した労働運動を抑え込むべく送り込まれた大卒キャリアたちが、その後次々と出世階段を駆け上っていったことから、労務畑が主流派として頭角を現し始めたという。

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