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一流企業161社「予告されている大震災」備えはあるか
必ず大地震は来る、それは分かっている
〔PHOTO〕gettyimages

 どうやって社員を、会社を守るのか。東京に本社でいいのか---
いまトップの想像力と決断力が問われている

 一流企業の本社が密集する東京。巨大地震に強襲されれば、倒れる企業の数は計り知れない。いまから対策が必要だ。準備は万端か、抜かりはないか。徹底緊急取材で見えてきたこととは---。

出遅れた大企業

 あと数m高台に家が建っていたら。

 あと数分早く家から逃げ出していたら。

 今回の東日本大震災で痛いほどにわかったのは、ほんの少しの違いが〝その後〟を大きく変えてしまう、ということだろう。

 なにもそれは被災者だけに限った話ではない。経済活動を行う企業にしても、同じことが言える。

「宮城県に本社を置くあるリサイクル業者は海岸から1mほどの場所に本社があったため、津波でほとんどの設備がやられてしまった。ただこの会社は以前から被災時対応を詳細に定めて準備していたため、たった1週間で事業を再開させることができた。また別のあるメーカーは茨城工場が被災したが、鹿児島工場で代替生産ができる体制を事前に整えていたため、すぐに事業を再開することができた」(企業のリスク対応に詳しいインターリスク総研の主任研究員・篠原雅道氏)

 日本を代表する多くの大企業の工場が被災、〝想定外〟の事態にうろたえ、事業再開が出遅れた。同時に鉄道、通信などのライフラインが途絶えたことで都内では大量の帰宅難民が発生したが、〝公器〟たる企業が適切な対応を取っていれば事態を小規模に抑えられたと指摘する声は多い。

「ある大手企業の幹部から『都内の本社ビルから千葉県の自宅まで数時間歩いて帰った』と聞いた時は唖然とした。震災時に幹部がやるべきことは、本社近くに事前に準備しておいた『作戦本部』に詰め、社員の安全確保と業務再開にトップマネジメントを発揮すること。たとえ事前準備がなくても、本社近くにあるホテルなどを拠点とすることも考えられたはずなんですが」(証券アナリスト)

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