「7月の参院選で、民主党は大敗を喫するのではないでしょうか。現在の情勢分析だと、民主党は40議席台前半程度だ。自民党は40議席台後半となって、改選議席で第1党になる可能性があります」
「そうだろうな。民主党は40議席を割るかもしれない」
「そうなると、社民、国民新党を合わせた与党でも、とうてい過半数に及ばない。連立の組み替えが必要になるが、公明党やみんなの党は民主党との連立に否定的だ」
「そうか・・・ 『衆参ねじれ』になるな。悶絶するぐらいの苦しみを味わうようになるだろう」
「そうならないようにするのが、みなさんの役割、仕事ではないでしょうか?」
「ウーン・・・」

幹事長・小沢一郎と距離を置く民主党のある大物とこんな会話を交わした。わたしが参院選で民主敗北との見方を伝えると、彼は同調し、かなりの危機感を示す。しかし、これといった対抗策を打ち出さない。
民主党内はいま、湿った火薬のような状態だ。首相・鳩山由紀夫と小沢の「小鳩体制」に対する不満が鬱積し、もし爆発すれば、相当な破壊力を持つだろうに、なかなか火がつかない。なぜなのだろうか?
権力闘争にあまりに不慣れ
第一に、参院選で大敗を喫したとしても、民主党政権は続くことだ。非小沢系の議員は民主党衆院議員の会合で「これが衆院選前だったら大変だったな」と漏らすと、期せずして一同がうなずいた。衆院選なら政権を失いかねず、自分たちも落選の憂き目に遭いかねないが、参院選だとどこか他人事だ。
本来は、参院の改選組が最も深刻に受けとめなければならないはずである。だが、小沢と距離を置く福山哲郎(京都選挙区)は副大臣なので、政局への発言を慎まざるを得ない。「仕分けの女王」こと蓮舫(東京選挙区)は仕分けと自分の選挙に追われている。
次に、民主党議員は初めて手にした政権を運営するのに四苦八苦していることだ。ある政務官はこう言った。
「土日に地元に戻ると、すさまじい批判におののく。月曜日に役所に行くと仕事が山積みになっている。金曜日までそれを処理するのに追われて、土日に逆風を受ける、そんな繰り返しだ」
政務3役に入っていなくても、政権の座に就く以前と現在とでは、議員の仕事の量は格段に違う。中身も濃く、それなりの達成感も得られて日々過ぎていく。昨年春、西松建設事件にからんで「小沢降ろし」が画策されていたが、極論すれば野党だったからそれ以外やることがなかったからだ。
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