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10年後も「絶対に生き残っている」会社
[後編]

大反響 有力549社から○をつけて選出

vol.1 はこちらをご覧ください。

――金融、商社、通信、流通、鉄道、外食・・・。就職ランキング第1位のあの会社に○はゼロ。生損保、カード会社は苦しく、大手商社、メガバンクは個別差が。

少ない勝者と多くの敗者

 10年後も「絶対に生き残っている会社」はどこか――有力549社から8人の専門家に○をつけて選出してもらった史上初の大調査(前号)は、大きな反響を呼んだ。○がつかない会社が多く、全滅している業種もあった。

 特に医薬品、ゼネコン、マスコミ、住宅などは壊滅状態で、日本の産業界を代表する自動車大手、総合電機大手においても複数の○がつく企業はわずかだったのだ。[前編]ではこうした「モノづくり企業」を中心に紹介したが、[後編]では金融、商社、流通、鉄道、外食などの「サービス産業」を見ていこう。

 結果をまとめたのが、上のリンクの表だ。大学生の就職志望企業ランキング第1位(リクルート調べ)のJTBグループでさえ○がゼロ。生損保・カード会社は苦しく、スーパー・百貨店・外食も半分以上に○がついていない。

 製造業と同じく厳しい未来が予想されるが、「サービス関連の企業の状況はもっと苦しい」と言うのは百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏だ。「そもそも日本のサービス企業は、目下デフレ競争に明け暮れ、すでに体力を失い始めています。

 加えて、少子高齢化が進む中でも、海外進出に出遅れ、ほぼ国内だけで商売をしている企業が多く、早晩、需要の頭打ちに襲われる。過当競争の消耗戦から抜け出せなければ、消え去っていくしか道はないでしょう」

 激安戦争の帰結が、「少ない勝者と多くの敗者」というのは歴史が証明済みだ。国際ビジネスブレインの新将命氏も、「最近のサービス企業は、顧客志向をはき違えている」と指摘した上で、「このままでは生き残れる企業は少ない」と警鐘を鳴らす。

「サービス業は日替わり定食ならぬ、『年替わり定食』のようなもの。手替え品替えで独自サービスを提供し続けなければ、時代の徒花として散るのがオチです。安さを超えた感動を与えられるかどうかが重要なのに、それができているところもほとんどない。最近は合併して規模を大きくしようと浅はかに考える企業も多いのですが、問題を抱えた同士が一緒になっても図体だけが大きい企業が生まれるに過ぎません」

 では、どういった企業が生き残るのか。今回、最も多くの票を集めたのが、三菱商事、グーグル、JR東海、JR東日本、東京電力(5票)。次いで、三菱UFJフィナンシャル・グループ、野村HD、NTTドコモなどが並んだ(4票)。業界別に見ると、特に大手商社が多くの票を集め、半分以上が生き残る結果となっているのが目を引く。

「これからは一層、総合商社の存在価値が高まってくる」

 と指摘するのは、ピナクル代表の安田育生氏。その理由をこう語る。

「総合商社は、金融機関に勝るビジネス再編の仲介役になりつつあります。各業界を熟知したプロフェッショナルな人材が豊富で、海外にも強い。内向きでリスク回避的な金融機関に比してエージェント機能に長けているのです。
  たとえば小売業は今後、スーパー、コンビニ、家電量販店といったボーダーがなくなり、複数の業態がアライアンスを組む(提携する)事例が増えていく。その仲介役を務めるのは、傘下にコンビニなどの小売企業を抱え、知識・手法を多く集積している総合商社となるはずです」

 信州大学教授の真壁昭夫氏も、「専門商社は欧米にもあるが、総合商社があるのは日本だけ。三菱商事、三井物産、住友商事などの大手商社は、世界市場でもM&Aの主役になれるため、生き残る」と分析する。逆に言えば、専門商社は厳しい戦いが強いられるということだ。

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