選挙
「菅抜き、小澤抜き、谷垣抜き」の大連立の鍵を握る「民自連」が動かす「6月政局」
民主、自民の超党派109人が参加
樽床伸二元国対委員長(中央)

  ここに来て俄然「民自連」が注目を集めている。「民自連」とは、民主、自民両党の中堅・若手国会議員らが5月17日に発足させた「国難対処のために行動する『民主・自民』中堅若手議員連合」のことだ。

 この超党派の議員連盟には衆院当選5回以下の民主党衆院議員87人と自民党衆院議員22人の計109人が参加、当日、衆院第一議員会館の大会議室を埋め尽くした。

民主党は樽床伸二元国対委員長(当選5回)、松野頼久元官房副長官(4回)、長島昭久前防衛大臣政務官(3回)、北神圭朗衆院経済産業委員会理事(2回)、笠浩史文部科学大臣政務官(3回)、自民党が菅義偉元総務相(5回)、岩屋毅党国防部会長(同)、河野太郎党行政改革推進本部超代理(同)、梶山弘志党広報戦略局長(4回)、平将明(2回)の両党それぞれ5人が呼びかけ人だ。

事実上の発起人代表である樽床氏が開会の挨拶を行ったのだが、これまでにも書いてきたように、「反菅(直人首相)・非小沢(一郎元代表)・世代交代」を標榜してきた同氏は民主党中間派の代表格である。

 だが、この「民自連」に参加した民主党衆院議員には、樽床氏グループ=中間派以外の鳩山由紀夫前首相グループの松野氏や大島敦党内閣部会座長(4回)、前原誠司前外相グループの古川元久元官房副長官(5回)や田村謙治党政調副会長(3回)、野田佳彦財務相グループの長島氏や楠田大蔵衆院テロ特委員会筆頭理事(3回)、菅首相グループの西村智奈美衆院外務委員会理事(3回)や本田平直氏(2回)、そして小沢氏グループの奥村展三前代表室長(3回)や岡島一正副幹事長(同)らが名前を連ねていることでも分かるように各グループから参加しているのが特色である。その意味では、党内の超グループ集団と言っていい。

 自民党もまた同じだ。町村(信孝元外相)派の芝山昌彦副幹事長(当選3回)、額賀(福志郎元財務相)派の新藤義孝衆院決算監視委員長(4回)、古賀(誠元幹事長)派の塩崎恭久元官房長官(5回)、麻生(太郎元首相)派の岩屋、河野氏、そして無派閥の菅、梶山、齋藤健氏(1回)など超派閥のメンバーが蝟集している。

「隠れ仙石シンパ」の動き

  そしてこの超党派議員連盟は、衆院議院運営委員会(委員長・川端達夫前文部科学相)の筆頭理事を互いに務める民主の松野、自民の菅両氏が4月初旬に接触、その後、結成準備段階で樽床氏を巻き込んで実現したものと報じられている。

 それは否定しない。が、筆者は、樽床、菅両氏が「6月政局」以降を視野に入れて立ち上げのタイミングから人選についての話し合いを繰り返してきたと聞いている。二人の共通認識はずばり、「大連立」ではないか。

 確かに、菅義偉氏はかつて塩崎恭久氏ともども安倍晋三元首相の側近だったし、樽床伸二氏は小沢一郎元代表に近かった。だが、今や「菅抜き、小沢抜き、そして谷垣(禎一自民党総裁)抜き」で局面打開を図ることこそ「国難対処」になるとの認識から立ち上がったのだろう。

 筆者には民主党議員出席者リストを見て見逃せないことがある。3月17日に官邸復帰を果たした仙谷由人官房副長官を支える「チーム仙谷」の存在がしばしば話題になる。古川、長島両氏や吉良州司党外務部会座長(3回)らが中核メンバーである。

  そして大型連休前の4月25日夜、やはり民主党内の保守系中堅・若手12人が集まった勉強会が催されたが、その中心は長島、吉良両氏であり、北神氏を除く9人は当選1回生だった。こういうことではないか。“隠れ仙谷シンパ”であるこのグループ12人中10人が件の「民自連」参加しているのだ。そして1回生は、42人の5分の1に及ぶのだ。

 仙谷氏と樽床氏との接近説もある中、この「民自連」が6月22日の通常国会会期末を前に波乱が予想される「6月政局」の行く末の鍵を握ることになる可能性が高い。

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