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学校・教育 ライフ

月10万「民間学童」という名の塾に入れる母たちの本音

英語オンリーのところだってある

まもなく夏休み。子どもを狙った事件もなくならない中、親にとっては小学生にどうやって過ごさせるかが問題だ。ひとりで留守番させるか、学童保育や公的な場で遊ばせるか――。近年は公立学童の倍率が上がっていることもあり、民間の学童が増え、すでに来年の新1年生向けに説明会が開かれている。しかも、「居場所」としてあるだけではなく、プラスαが山盛りのようだ。民間学童をめぐる現状を、ジャーナリストのなかのかおりさんが取材した。

「小1の壁」が待っている

筆者の娘は、学校で初めての夏休みを迎える。保育園は長期休みがなかったから、働く親にとっても初めての経験だ。

土曜や延長の保育も利用し、娘も保育園が大好きだったので、早く終わってしまう学校に入る時は心配があった。今では保育園並みの時間で預かり可能な公立の学童保育が、娘にとり大切な「居場所」になっている。予定より早く迎えに行くと怒るほど。

夏休みの学童について聞くと、スポーツやお出かけなどイベントがあって、保護者会が有料でお弁当を出してくれる日も。2年生以降は1年生優先のため入れない家庭が出てくるという問題はあるが、とてもありがたい。

 

公立学童は「勉強させる場」ではない

公立学童は定員がいっぱいで入れない、もしくは詰め込みで環境がよくないという課題はあり、厚生労働省の基準によって指導員の研修や質を上げる工夫はしている。ただ国が「遊びと生活の場」と定めるように、もともとは「何かを高める場」としてあるのではない。

公立学童で「学校の宿題をやろう」という時間はあるものの、子どもによってやるかやらないかは様々だ。Aさんは「学童での勉強は自主的なもの。お姉ちゃんはやるけど1年生の息子には期待していません」。3児の母・Bさんは「長男は学童で宿題をやってこないから、帰宅して母親が見る」。仕事の融通が利くCさんは「夏休みは朝、親が課題をセットして自宅で勉強させてから送りだします。そうしないと全く勉強しないと思う」と話す。

確かに幼児は遊ぶのが仕事だが、学校では1日に4~5時間の授業があって何かを学んでいる。でも、夏休みになったら全く授業がなくなってしまう。

「遊んでばかり」な子どもに不安

こうした「公立学童に入れたら安心だけど、遊びっぱなし」の現状に疑問を感じる親たちが選ぶのが民間学童だ。学校から学童へスタッフが連れて行き、帰りは自宅まで送ってくれるところも。別の場所での塾や習い事への中抜け送迎もある。さらにピアノ、英語やプログラミングなどオプションの習い事、夜遅くまでの預かり、夕食といった至れり尽くせりのサービスに驚く。夏休みはキャンプやテーマパークへのお出かけオプションまで用意されている。

ベネッセ教育総研によると、小学生の習い事で1990年には5位だった英語が2015年には3位に上昇。「ケイコとマナブ」のサイトによるランキング(2016)を見ると、「習っている」の1位は水泳だが、「習わせたい」は英語が1位。習わせたい10位にパソコン関連がランクイン。筆者も、この1年でプログラミングの体験会や教材をよく見かける。英語やプログラミングが小学校で必修になるのに向け、民間学童でもいち早く乗り出しているようだ。

民間学童の費用は高く、週に5日行ったら、月に5万~10万円ほどかかるところが多い。オプションによってはさらに費用がかかることもある。それでも「保育園に代わる安全な場所が得られて、習い事まであるなら」と出費を惜しまない親がいる。特に都心部で民間学童が人気で、そこには背景がある。地方出身だったり高齢出産で祖父母も高齢だったりで、困った時に子どもを見てくれる身内がいない親も多い。職場でワーキングマザーが増えた今、時短勤務も続けにくくなる。