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主要閣僚が続々辞任…イギリス政界にいま何が起きているのか

EU離脱を目前に噴出する不満
小林 恭子 プロフィール

EU離脱は今後どうなる?

野党・労働党のコービン党首は「チェッカーズでの合意案を作るまで2年かかった。つぶれるのは2日間だった」という。デービス氏とジョンソン氏は「沈みかける船」から降りただけなのだ、と。

EU側の反応は、今のところクールなようだ。

デービス氏の辞職を聞いたあるEUの高官は「ここに来なかった人物がいなくなったからと言われても、寂しいとは言えない」という(BBCニュース、9日付)。過去4ヵ月の間、デービス氏がEUの本部があるブリュッセルを訪れたのは1回のみだ。

しかし、時間がどんどん過ぎていくことは懸念に違いない。

〔PHOTO〕gettyimages

12日、英政府はブレグジット後のEUとの関係を詳細につづる白書(約150ページ)を発表する予定だが、これをEU側がどう受けとめ、どのような姿勢で交渉してくるかは不明だ。

保守系「デイリー・テレグラフ」紙のコラムニスト、アンブローズ・エバンス=プリッチャード氏は、先の合意案は閣僚2人の辞任によって「無意味になった」(10日付)としており、白書の意義が大きく揺らいでいる。

来年3月にブレグジットが実現するとなると、10月までには実質的に交渉が終わっている必要があるが、間に合うのか。

EU側では「メイ首相は続投する」という見方が強い。英国内でも不信任案が出されるとする人がいる一方で、大方の保守党議員は「他に適当な人がいない」ために不信任案は出されないという。

離脱条件を決められないままに期限が来てしまう可能性は大いにあるだろう。

 

ブレグジットが、この先どうなるのか? もっと他に辞任する人が出るのか? 誰にもその答えはわからない。

ドイツのメルケル首相のように、メイ氏は首相の座にしばらく居残りそうだが、それ以外は霧の中だ。

ビジネス界にとって、不安の日々がまだ続く。