若い女性に人気のファッションブランド、サマンサタバサジャパンリミテッドの上席執行役員を務める世永亜実さん。入社してから16年が経ち、結婚、出産を経て二児の母となり、職場では多くのスタッフを率いる管理職となった。がむしゃらに働きながら、妻、母の三刀流をこなしてきた世永さんは、「働き方改革関連法案」が国会で可決成立し、日本人の働き方がターニングポイントに来ている今、何を実感しているのだろうか。

男と女は「働く」ことに抱くイメージが違う

男性が「働く」ことに抱くイメージと、女性が抱くイメージとは、ずいぶんと違いがあると思います。男性は、一生働いて家族を養うという一本の道が見えているのかもしれませんが、女性の場合は人それぞれで違いがあります。結婚して妻となる。子どもができる。あるいは独身で仕事に打ち込む。様々な道があり得ますから、一律には考えられないのです。

 

男性は、自分の一生の仕事のこと……会社の3年先、5年先のことを考えながら働いていますが、女性はなかなか3年先のことも考えにくい。若いスタッフは、「結婚しているかもしれないし、わかりません」と明るく言います。ともすると半年先のことさえ、想像するのが難しいのです。

「そんな先のことはわかりませんけど、今、この瞬間は160%の力で頑張ります」

そういう女性スタッフが多いです。だから、先の話も3ヵ月ごとに区切って考えようと言います。それを積み重ねていった結果として3年後にはこうなっていると、かみ砕いて話をすると彼女たちも納得してくれます。

今28歳の女性に3年先の話をすると、31歳。とても想像つきません。女性は働き盛りのときと人生のピークが一緒にやって来ます。そこが難しいところですね。

私が勤めるサマンサタバサジャパンリミテッドは、従業員1800人あまりのバッグやジュエリー雑貨を企画販売する会社です。1800人といっても、全国400店舗あるショップスタッフがいますから、企画や宣伝といった本部機能を担う人材はそれほど多くありません。ひとりであれもこれも企画を掛け持ちしていて、外の人からは驚かれることがありますね。

ミランダ・カー(右から3人め)はじめ多くのプロモーションタレントの窓口を世永さんが務めた(photo by gettyimages)

会社は男女平等で、凄く大きな仕事を男女関係なく任されてしまいます。ですから、仕事にハマってしまって夢中になって働いて、結婚しない。そういうスタッフも多いほどです。

来年で会社は25周年を迎え、もうベンチャー企業とは言えない時期に来ていますが、今年は「もう一度ベンチャースピリッツを思い返そう」をテーマにチャレンジしています。従業員の96%は女性。しかも平均年齢は24.5歳と若く、少し特殊な構成かもしれませんね。