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企業・経営

ついに、日本でも「株主が社長をクビにする」時代がやってきた

6月株主総会で相次いだ再任拒否

2位の大株主、投資ファンドの反対で

ついに日本でも、社長が株主によって解任される時代がやってきた。6月27日に開かれた名証セントレックス上場の「21LADY」の株主総会で、藤井道子社長が過半数の賛成票を得られず、取締役に選ばれなかったのである。

同社が総会後に東海財務局に提出した臨時報告書によると、会社側が出した取締役4人の選任議案で、藤井氏は43.50%しか賛成票を得られず再任されなかった。他の3人は97%あまりの賛成票を得て選任された。

21LADYはシュークリームの「洋菓子のヒロタ」や北欧輸入雑貨販売の「イルムスジャパン」を運営する。藤井氏は2000年に21LADYを創業して以来、社長を続け、現在も33.4%を握る筆頭株主。

ところが、長年にわたる業績低迷を理由に2位の大株主で、16.8%を保有する投資ファンド「サイアムライジングインベストメント」が再任反対に回った。サイアムは今回の総会に、株主提案として3人の社外取締役を選任する議案を提出。

この3氏については賛成55.59%で選任された。この結果、会社側提案の3人と株主提案の社外取締役3人が取締役会を構成することになった。

 

株主総会で異例の否決

もう1社、株主提案の一部が可決され、社長が再任されなかったケースが出た。東証1部上場の保育事業大手JPホールディングス(HD)が6月28日に名古屋市で開いた定時株主総会でのことだ。会社側提案の荻田和宏社長を再任する取締役選任案が否決されたのである。

JPHDの臨時報告書によると、会社側提案の取締役選任議案8人のうち、可決されたのは2人だけで、社長だった荻田和宏氏は議決権の36.06%しか賛成票を得られなかった。

一方、株主が提案した取締役候補2人が63.56%、59.61%の賛成票を得て選任されたが、やはり株主提案として出された社外取締役3人の選任議案はいずれも否決された。

株主提案で取締役に選ばれた坂井徹氏は、JPHDの株式の27.41%を持つマザーケアジャパンの代表。

JPHDをめぐっては、創業者で元社長の山口洋氏と、荻田氏ら経営陣が対立し、この1年で2度も臨時株主総会が開かれるなど混乱が続いてきた。荻田氏の社長再任が否決されたことで、再び混迷の度合いを増す可能性もある。

荻田氏の後任社長には、再任された古川浩一郎取締役が総会後の取締役会で選ばれ、同日付で就任した。

きっかけは内紛だとはいえ、上場企業の社長の再任議案が株主総会で否決されるのは極めて異例だ。過去には2008年にアデランスホールディングス(現アデランス)の社長が米系投資ファンドの反対などで、再任を否決されたことがある。