医療・健康・食

深層レポート「天皇陛下が脳貧血で倒れた夜」に起きたこと

学習院の同窓会の後に…
現代ビジネス編集部 プロフィール

貧血と栄養失調

日ごろ、侍医たちは24時間体制で天皇の健康管理にあたっている。その侍医から天皇は、つねづねこんな注意を受けていた。

「夜のお小水のときは、急がずゆっくり起きてください。ゆっくり起きていただかないと、頭に血流が行かず、転倒してお怪我をする心配がございますから」――。

桜友会から帰ったその夜の未明、7月2日午前4時ごろ。天皇は目を覚まし、トイレに立とうとした。その刹那、目の前が真っ暗になり、倒れ込んでしまった。

すぐに侍医が駆けつけたものの、立ち上がることができず、

「皇后を、美智子を…」

とかろうじて言葉を発した。侍医は女嬬(にょじゅ)に「皇后陛下をお呼びしてください」と伝える。急変は直ちに侍医長と宮内庁病院にも通報された。

 

その場で応急処置が行われた。脈拍と瞳孔、呼吸状態を観察し血圧を測る。5分と経たないうちに天皇の寝室に駆け付けた美智子さまは、「陛下!陛下!」と懸命に声をかけるとともに、侍医に尋ねて状況把握につとめた。

「宮内庁病院へ行くのですか?」

「いま連絡しています。血圧、呼吸などはしっかりしていますので、このまま処置させていただきます。ご心配には及びません」

侍医は、玉体を動かすのは危険と判断したのかもしれない。

その後、天皇の容体が落ち着いてから診断結果の報告を受けた美智子さまは、ショックを隠しきれない様子だったという。

脱水性脳虚血。そして栄養失調――。

「一時は脳梗塞も疑われましたが、倒れられたのは貧血のためだった。ご高齢で最近はお食事の量も減り、ミネラルや鉄分を十分に摂取できていなかったのが原因だったようです。その後、しばらくは吐き気も続いたと聞きます」(宮内庁職員)

2日の高円宮絢子女王と守谷慧さんの婚約内定報告は欠席、3日以降に予定されていた昼食会などの公務も当面中止・延期となった。4日午前の時点でも、御所での静養が続いている(4日午後から、一部公務復帰と報じられた)。

一方で首相官邸には、早い段階で「重篤というわけではないが、天皇の心臓は加齢にともなって弱っていること」、そして「軽い脳梗塞が起こった疑いが拭えないこと」が伝えられた。それを受けて、政府は宮内庁に対し、必要以上の情報開示を慎むよう指示しているという。

事実、詳しい容体に関しては、宮内庁の発表にもとづく「2日午前4時ごろに急な発汗があったため、侍医が診察して脳貧血との診断を下した」「めまいと吐き気、腹痛があるが、熱はない」ということ以外、ほとんど報じられていない。