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映画『ハン・ソロ』はスター・ウォーズ「原点回帰」の娯楽活劇だ

小難しいことは言わずに

あらかじめ約束された「逆風」

「あのハン・ソロの若き日々を描く映画」が作られると聞いた『スター・ウォーズ』のファンは、誰もが「へえー、それは楽しみだ」と思ったことだろう。

しかしそれは一瞬のことで、「で、誰が演じるんだ」と思い、「ハリソン・フォード以外のハン・ソロなんありえない」と思考が展開した時点で、この企画についての不安が生じる。

そして、どんなストーリーなのか、ハン・ソロ役の俳優が誰かも知らないのに、『ハン・ソロ』なんて認めない、と思うようになる。

そういうハンディを得て作られた映画だ。

若き日のハン・ソロを演じたオールデン・エアエンライク若き日のハン・ソロを演じたオールデン・エアエンライク〔PHOTO〕gettyimages

結果としては、普通の娯楽映画としては十分に面白い映画だ。昔の、1950年代までの西部劇の雰囲気が濃厚な映画で、スペースオペラの前にホースオペラ(B級西部劇)があったんだったなと娯楽映画史を振り返りたくもなった。

宇宙空間での戦闘シーンはあまりなく、地上での「大列車強盗」としか言いようのない鉄道を襲撃するシーンが前半の見どころだ。

このシーンは本当にすごい。モノレールみたいな軌道で列車は上下になっていて、と言葉で示すのはもどかしいが、本当に大迫力なのである。

まさか『スター・ウォーズ』でこんな西部劇みたいな映像を見るとは思わなかった。「鉄道襲撃映画ファン」というのがいるのかどうか知らないが、いたとしたら必見だ。

後半は、誰が最後まで信用できるのかという心理戦をベースにしたアクションという、けっこう複雑なことをしていて、人間関係も二転三転する。

「興行成績が悪い」といっても…

アメリカでの興行成績が予想ほどではないというので、失敗作との報道もなされ、他人の不幸は蜜の味なので、そういう情報が先行する。

「興行成績が悪い」といっても、あくまで『スター・ウォーズ』シリーズとしてであり、最初の4日間の北米興行収入は推定1億1100万ドル(約110億円)だったというから、大ヒットではある。

 

ただ2週目がかなり落ちているのは、「面白い」という口コミがひろがらなかったからだろうから、苦戦であることは否定できない。

長く続き、多くのファンを持つ作品の「新作」は興行的には安全パイのようでいて、時として、失敗する。

成功にも失敗にもさまざまな要因があり、いくらでも分析は可能だ。

以下、第1作、後に「エピソード4」とされる『スター・ウォーズ』からのファンとしての『ハン・ソロ』を見て2日後の雑感を書いてみる(以下、『スター・ウォーズ』シリーズについては、エピソード番号で記す)。