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週刊現代 北朝鮮

朝鮮労働党幹部が激白「元帥様に会いたければ、カネを出せ」

日本だけ「打つ手なし」のなかで…

金正恩委員長が、3ヵ月で3度目の訪中を果たした。韓国と2度、アメリカと1度首脳会談し、ロシアとは9月に予定しているが、日本だけ白紙だ。朝鮮労働党幹部に、拉致問題を含めた真意を質した。

日本の話題は数十秒間

トランプ大統領と金正恩委員長の歴史的な米朝首脳会談が開かれた後、安倍晋三総理は胸を張った。

「先ほど、会談を終えたトランプ大統領と電話で協議した。私の考え(拉致問題)についてトランプ氏から金正恩朝鮮労働党委員長に、明確に伝えてもらった」

拉致被害者である横田めぐみさんの母・早紀江さんも、記者団に答えた。

「本当にうまくいくのかなという思いで見ていましたが、歴史的なことが起きたという思いです。あとは、日本がやらなくてはならないところに来ました。悲観はしていません」

 

米朝が70年の対立を経て「和解」したことで、日本では拉致問題解決に向けて期待が高まっている。

安倍総理は6月18日の参院決算委員会でも、「日朝首脳会談を行わなければならない。これを行う以上は、拉致問題解決に資する会談としなければならない」と述べ、金委員長との早期の首脳会談に意欲を見せた。

だが、私が訪れたシンガポールには、約350人もの日本人記者が馳せ参じたが、「日本」とか「日本人拉致問題」といった話題は、ほぼ皆無だった。

米朝首脳会談に関わった関係者が明かす。

「会談はまず、トランプ大統領と金正恩委員長による、トップ会談を約40分行い、その後、双方の側近3人ずつを含めた拡大会合を、約1時間40分行った。

日本に関しては、前半のトップ会談の終わり頃に、トランプ大統領が、こう切り出した。

『安倍総理から頼まれていることがある。日本は拉致問題の進展が見られない限り、北朝鮮との関係を前に進められないと言っている……』

これに対して、金正恩委員長の答えは、『クロッスムニカ』(そうですか)のひと言だった。時間にして、通訳が訳す時間も含めて、ほんの数十秒で、日本の話は終わった」

安倍総理が力説する「トランプ大統領から金委員長に伝えてもらった」というのは事実だとしても、あまりにお粗末だったのである。

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「トランプ哲学」には、無料で他人の頼みを聞いてやる習慣はない。実際トランプ大統領は、首脳会談後の記者会見で、非核化にかかる費用負担について明確に答えている。

「韓国と日本が、大がかりな支援を行うことになるだろう。アメリカが支援を行う必要はない。アメリカはすでに、世界の多くの場所で、多額の支払いを行っているのだから、隣国である韓国と日本が支援すればよい話だ」

つまり、「拉致問題について口を利いてやったのだから、非核化のカネを払え」と、日本に堂々と請求書を回そうとしているのである。日本も軽く扱われたものだ。