裏社会 中国

北米の反日運動を煽る「チャイニーズ・フリーメーソン」の脅威

陰謀論かと思ったら…
安田 峰俊 プロフィール

カナダ国家を動かす力も?

現在、カナダではなんと、南京大虐殺が起きたとされる12月13日を国家的な記念日にしようという運動が、現職の国会議員の主導でおこなわれている。こちらの提唱者は、香港出身の華人系下院議員で、カナダの中道左派政党・新民主党に所属するジェニー・クワン氏(関慧貞)だ。地盤はバンクーバー東選挙区である。

 

同氏は昨年11月30日、いちど国家レベルでの記念日設置を求めたものの失敗。ところが今年4月19日、再び記念日制定を求めてカナダ国会で5分間にわたる演説をおこなった。彼女はその演説でこう語る。

「80年前(の南京大虐殺の際)にはおよそ2万から8万人の中国人女性がレイプされ、約30万人が殺害されました」

「第二次大戦中、韓国・フィリピン・中国・ビルマ・インドネシアほか日本によって占領された地域の女性およそ20万人が、強迫されたり騙されたりして売春宿に送り込まれ、日本の軍人の慰安婦とされました」

クワン議員は現在、主に中国系住民に働きかけて大規模な署名運動を展開中である。今年6月1日に彼女が開いた記者会見では、全カナダ華人聯会、カナダ南京同郷会といった一般の中華系コミュニティ団体とともに、洪門民治党トロント支部がばっちり加わっていた。チャイニーズ・フリーメーソンのネットワークをも駆使して、南京大虐殺記念日の制定を実現させるというわけだ。

そもそもこのクワン議員、まだ地方議員だった2004年に北京の中国致公党の中央主席がバンクーバーを訪問した際に会見をおこなっていたり、洪門民治党の式典にしばしば参加していたり、今年3月25日から26日にかけてモントリオールやオタワにある洪門民治党の複数施設を公式訪問していたりと、洪門組織とやたらに距離が近い。

※今年3月25日、モントリオールの民治党施設を訪問して、秘密結社構成員のみなさんと一緒に写真におさまるジェニー・クワン議員(中央の女性)。『sinoquebec.com』より

長年の深い付き合いから考えると、洪門の秘密結社がクアン議員の集票マシーンの一端を担っている可能性は高い。カナダで国家レベルの南京大虐殺記念日の制定運動を推し進めているのは、間接的に北京の息がかかった「中華フリーメーソン系」議員というわけなのだ。

あまりにもカオスな事態だが、カナダは第二次大戦の戦勝国であるうえ、華人系住民が非常に多く、国家全体としてリベラルな気風が強い国である。しかも、東アジアから遠く離れているので、実際の日本や中国がどういう国家で、日本が戦後どんな取り組みをしてきたか、中国が反日運動を通じて何を狙っているかといった知識や想像力を持つ議員や選挙民も少ない。中国政府の立場から見ると、かなり「工作」がやりやすい国なのは間違いないだろう。

辛亥革命以来の政治力と地球を覆うネットワーク能力、そして豊富な資金力を武器にしたチャイニーズ・フリーメーソンが関与する反日運動に、日本は果たして対抗できるのだろうか?地球の裏側で、なかなか空恐ろしい事態が進行中なのである。