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「夏のボーナス過去最高」で消費低迷に歯止めはかかるか

国内消費はまだ実質マイナス

3%賃上げは達成されたが

今年夏のボーナスは大幅に増加して、大手企業では過去最高になったようだ。経団連が6月中旬に発表した2018年夏の賞与の1次集計結果では、大手企業の平均妥結額は前年比6.7%増の96万7386円と、1959年の調査開始以来、最高となった。最終集計は月末に発表されるが、過去最高は不動とみられる。

東京オリンピック・パラリンピックを控えて建設ラッシュに沸く建設業界の賞与額は、前年より10.7%と大きく増加。業績が好調な自動車も6.3%増えた。

安倍晋三首相は今年の春闘に向けて、経営者に対して3%の賃上げを求めてきた。経団連の調べでは、大手企業の定期昇給とベースアップを合わせた賃上げ率は2.54%だったが、賞与の増額が相次いでいることから、賞与を含めた年収ベースでは、3%の賃上げを達成する企業が多くなるとみられている。

大手企業ばかりではなく、中小企業でも夏のボーナスを積み増したところが多い模様。エン・ジャパンが従業員数300人以下の中小企業を対象に実施した調査では、35%の企業で夏のボーナスが増える予定であることが分かった。

また、大阪シティ信用金庫が大阪府内の取引先企業に聞いた調査では、ボーナスを支給すると回答した企業では1人当たりの支給額(税込)が前年に比べ1814円多い26万2570円と、7年連続で増加。リーマン・ショック前の水準にほぼ回復した、という。

 

国内消費は逆に弱くなっている

問題は、収入の増加が、消費に回るかどうかだ。

というのも、ここへ来て、足元の消費が再び悪化の兆しを見せているからだ。日本百貨店協会がまとめている全国百貨店売上高によると、今年5月の売り上げは店舗数調整後で前年同月比2.0%減少、3カ月ぶりのマイナスとなった。

衣料品や食料品が大幅に落ち込んだほか、比較的好調だった身の回り品や雑貨の伸びが鈍化した事から、全体としてマイナスに転じた。

高額品消費の指標とも言える「美術・宝飾・貴金属」部門は、14カ月連続で前年同月を上回ったものの、伸び率は6.7%と前月の9.2%増から鈍化した。ハンドバッグなどの身の回り品も5カ月連続でプラスだったが、伸び率は0.1%にとどまり4月の3.2%増から落ち込んだ。

大都市圏は比較的順調でプラスになった地域が多いものの、ここでも変調がみられる。これまで絶好調だった大阪地区の百貨店売上高の伸びが大きく鈍化しているのだ。

5月の大阪地区は5.2%増だったが、3月は9.1%増、4月は9.9%増で、これと比べると「鈍化」は鮮明だ。

大阪地区の売り上げは外国人観光客によって「底上げ」されてきた。全国の百貨店で免税手続きで購入された金額が、4月には初めて300億円を突破、316億円を記録した。5月も歴代3位の287億円だった。