photo by gettyimages
サッカー

今宵、ポーランド戦の西野ジャパンが抱える「意外な弱点」

問題は「筋肉の使い方」にあった

今宵、ポーランド戦を迎える西野ジャパン。ここまでは、コロンビアを下し、セネガルに引き分け……と前評判を覆す成績を残してきた。それを演出した西野監督の功績は大きい。

しかし大局的に見て、日本代表の実力が上がってきているという印象を持つ人は少ないのではないだろうか。それは、日本チームに意外な弱点があるからだ。サッカーにおける「カラダの使い方」を研究し続けてきたスポーツライターが、その弱点に切り込む。

なぜ西野ジャパンは好調なのか

「西野マジック」

今回のW杯ロシア大会、日本代表の戦いぶりをひと言で表せば、こうなるだろう。大会2ヵ月前に就任した西野朗監督が、わずかな期間にボロボロになっていた日本代表を再建。1996年のアトランタ五輪で「マイアミの奇跡」を演出した西野自身の勝負運もあって、ロシア大会では世界のサッカーファンの予想を覆す大躍進となった。

西野監督の功績を二つあげれば、
(1)選手たちに求めるプレーをはっきりさせたこと。
(2)「裸の王様」だった本田圭佑に「裸だよ」と言ったこと。
だろう。

 

前任のハリルホジッチ監督は、戦いのスタイルを固定せず、対戦相手に応じて戦術やメンバーを変えることが多かった。さらにプレースピードと、1対1での強さを求めたうえで、W杯に向けて多くの選手たちを競争させていた。このやり方では、自分が何をすべきかという点で混乱し、代表候補の選手たちにとっては相当なストレスになっていた。

それに対して西野監督は、戦術の軸を「日本らしいサッカー」に定めた。勤勉さやチームワークの良さ、俊敏性などの日本人の特徴をベースとした戦い方であり、代表クラスの選手にとってはすでにカラダに染み込んだものだった。

選手を見守る西野監督(photo by gettyimages)

そのうえで、代表として経験豊富な選手を招集してチームで議論をさせた。これによって代表選手たちが統一イメージを共有できるようになり、個々の持ち味をも発揮できる環境が整った。2対2で引き分けたセネガル戦後には、セネガル通信から日本の戦いぶりを「スペイン代表、スペインのクラブに近い」と高く評してもらったほどだった。

本田圭佑は、ハリルホジッチ時代の終盤、日本代表にとっては「困ったちゃん」だった。相変わらず「意識高い系」のコメントを繰り返す一方、パフォーマンスのレベルは低下の一途。チームメイトはもちろん、日本のサッカーファンの間でも、もはや本田が「裸の王様」であることに気づいていた。

西野監督は、テストマッチを経たうえで、調子の上がらない本田のスタメン出場を却下。スーパーサブ的な起用を決断する。そのとたんに本田の言動も献身的なものに変化し、「これだけサブを前向きに考えられたサッカー人生なんてない。W杯がそうさせてくれている」とまで謙虚に発言するようになった。

W杯本番でもパフォーマンスそのもののレベルは低いが、コロンビア戦ではFW大迫勇也の決勝ゴールをアシスト、セネガル戦では「ごっつぁん」ボールが目の前に転がってくるという強運を発揮した。