世界の賞金女王が見えた
宮里藍の「価値」

 メキシコで行われた「トレスマリアス選手権」を制し、今季3勝目を挙げた宮里藍(24歳)。世界ランキングは3位に浮上、賞金ランキングも単独首位にあり、"世界の女王"の座がいよいよ視界に入ってきた。宮里と親交がある在米ゴルフジャーナリストの舩越園子氏が言う。

「アニカ(ソレンスタム)や(ロレーナ)オチョアがそうだったように、短期間でドンドン勝ちを重ねています。かつて賞金女王たちが通った道を、藍ちゃんはいま進んでいるんです。今回の勝利で特筆すべきは、勝因として挙げられているパットの良さではなく、その前のフェアウェイのキープ率だと思います。
  藍ちゃんはアメリカで戦うようになってから、飛距離のある外国人選手に影響されてフォームが乱れて苦しい時期が続いていたんです。しかし最近は、『自分のゴルフをします』と気持ちを切り替えていた。だから(ミシェル)ウィーや(ブリタニー)リンシコムと回っても、崩れることがなかったのです」

 ゴルフジャーナリストの沼沢聖一氏も、「あきらめを知って強くなった」と話す。

「石川遼が好調のとき、よく『ゾーンに入った』という表現をしますが、宮里は極限の集中力をツアーを通して維持できる力を身に付けつつある。プロの中でも一握りの天才にしかできないことです。技術面では、アドレスをやや前傾姿勢に変えたため、腕がよく振れるようになり、ティーショットが安定して飛距離も増しています。5m 以上のパットは、すでに世界トップです」

 女王に不可欠なハートの強さを手に入れた宮里だが、今季の3勝はいずれもアメリカ国外での勝利。

「本土で勝ってこそ賞金女王が現実のものとなる。真価が問われるのはこれからです」(前出・舩越氏)