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メディア・マスコミ

セクハラをなくすには?海外メディアの女性らが明かす「被害と本音」

対策もここまで進んでいる
この数ヵ月、海外メディアで働く女性たちが、いくつかの国際会議の場で次々とセクハラ被害を告白し、対策を提案している。世界の#MeToo事情とはどのようなものなのか? 会議に参加した在英ジャーナリストの小林恭子氏がリポートする。

昨年来、米国の映画プロデューサーによる性的嫌がらせ・性的暴力に女性たちが声を上げ、こうした行動に抗議する「#MeToo」運動が世界中に広がっている。

日本でも、財務省官僚による女性記者へのセクハラが発覚したことで大きな社会問題として認識され、ジャーナリズムに携わる女性による職能集団「メディアで働く女性ネットワーク」が組織化された。女性が安心してメディアで働くことができる環境づくりを目指すという。

職場でセクハラを発生させないためには、どうしたらいいのだろうか。

海外メディアの状況から、そのヒントを探ってみたい。

 

どの国でも起きているセクハラ問題

ここ数ヵ月、筆者は海外のメディアで働く女性たちの声をイタリア・ペルージャで開催された「国際ジャーナリズム祭」(4月)、ポルトガル・リスボンでのメディア会議「GENサミット」(5月末~6月上旬)、同じくポルトガルのエストリルでの「世界ニュースメディア大会」(6月)で見聞きした。筆者が住む英国でも、ソーシャルメディアや報道で女性たちの体験談を追ってきた。

そこで分かったのは、世界中の国で女性ジャーナリストが「女性である」という理由でハラスメントを受けている現状だった。

特定の国の特定のメディア環境によるものではなかった。

ほとんどの国で、国会やメディア界を含む企業の経営陣に男性の比率が圧倒的に高く、女性が少数派となっている点も共通していた。

男性に囲まれて仕事をする女性には、どんなことが起きるのか?

「女性であることを利用された」

在ロンドンのフリーランス・ジャーナリスト、アンナ・レカス・ミラー氏は、中東の紛争地で仕事をすることが多い。

体験談を語るミラー氏(撮影 Bartolomeo Rossi)

テレビ局の取材チームの一人としてイラク北部モースルで取材中、検問所を通る際に、仲間から「先に行くように」と言われたという。

チームの中で女性はミラー氏はただ一人。「女性が先に行った方が通りやすいから」と仲間にそう言われたとき、「ガーンとなった」という(ペルージャの会議で)。

「自分が女性であることを利用された」ことに割り切れない思いを抱いた。取材を終えて、収録動画の編集に入ったところ、画面に出た自分の姿かたちについて「何度も男性陣から批判やコメントが付けられた」。

紛争地での取材だったからではなく、一緒に仕事をする男性陣からのコメントの数々に「心底、まいった」という。「セクハラはどこでも発生する。取材相手、現場にいた人、あるいは同僚だったりする」。