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上場メルカリの次の一手「米国シフト」の勝算と不安

海の向こうは「競合」だらけ

フリマアプリのメルカリがとうとう上場した。初値は公開価格を2000円も上回る5000円となり、時価総額は約7000億円近くに達した。同社は日本では数少ないユニコーン企業(未上場でありながら、時価総額10億ドルを超える企業のこと)と言われてきたが、その実力が十分に発揮された形だ。

時価総額に割高感はない

メルカリは言わずと知れたフリマ・アプリ最大手である。個人が不要になったものを出品し、別の個人が購入するという、リユース品の仲介プラットフォームを提供している。同社は起業家の山田進太郎氏が2013年に立ち上げ、スタートからわずか5年で1000万人の利用者を抱える巨大ビジネスに成長させた。

取り扱うリユース品の流通総額は急ピッチで増大しており、2018年6月期には3000億円を突破するのがほぼ確実とみられている。経済産業省がまとめた日本国内のフリマアプリ市場規模は4835億円だったので(2017年)、単純計算では半分以上をメルカリが占めていることになる。

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同社のビジネスモデルは極めてシンプルだ。出品したい利用者は商品をアプリに登録して売れるのを待ち、購入したい利用者はアプリで欲しい商品をタップして代金を支払う。メルカリは出品者から10%の手数料を徴収しており、これが同社の売上高となる。

2017年6月期における同社の流通総額は約2300億円(国内)となっており、同年の売上高は220億円だった。手数料の10%分がそのまま売上高になっているとみて差し支えない。

2017年7月〜2018年3月期(2018年6月期の3四半期合計)の売上高は260億円を超えており、流通総額の推移などから考えると、2018年6月期における売上高は300億円台になっているはずだ。

 

現時点ではまだ営業赤字だが、利用者獲得のため積極的にテレビCMなどを行っており、2017年6月期には142億円の広告宣伝費を計上している(海外分含む)。広告宣伝費を調整すれば黒字化は可能なので、実質的に黒字転換を果たしていると考えてよいだろう。

今後、リユース品の市場はさらに拡大が見込まれていることや、ネットビジネスは先行者が有利に事業を展開できること、業績も申し分ないことなどを考え合わせると、7000億円の時価総額に割高感はない。