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格差・貧困 ライフ

起業で成功→負債3億→復活した僕だから言える「大金持ちは幸せか」

「紀州のドンファン」他人とは思えない
会社員生活から起業、ベンチャー企業の社長として華やかな生活をしたのち、3億円の負債を抱えて無一文になったことのある水野俊哉さん。その後、艱難辛苦を乗り越えて新たなビジネスを起こし、今では40代半ばにして年収数億円の悠々自適な生活を送っている。お金持ちになるという経験と、お金を亡くす経験、そしてお金持ちでいる経験すべてをしているからこそ語れる、「大金持ちは幸せか」「幸せとは何か」

「紀州のドンファン」のような生活

和歌山県田辺市の資産家、「紀州のドンファン」こと野崎幸助さんの死亡事故が全国ニュースで報道されてから、夕刊紙、週刊誌などで連日、捜査状況や「事件の真相」についての謎解きがされている。しかし、この原稿の趣旨は、真犯人を推測することではない。

私自身、2017年1月に彼についての記事を現代ビジネスで読んでから、野崎氏について人一倍の興味を抱いていた。思わず著書もすぐに購入したほどである。年齢は40代半ばなので野崎さんより下だが、野崎さんから「女遊び」とご本人が言っていた部分だけをとったような生活を送っているからだ。

先日、それを聞いた現代ビジネスの編集者から尋ねられた。「野崎さんほどの大金持ちになったことがないのでまったく分からないのですが、大金持ちって幸せなんでしょうか?」。
そこで、私の実体験からの「大金持ちとは何か」「大金持ちとは幸せか」を考えてみたいと思う。

 

40代でセミリタイア

現在の私は、神奈川県の湘南地方の西の端にある小田原市に住んでおり、週に何回か仕事がある時に都内に行く生活を送っている。

普段は毎日午前2時か3時には起き、朝5時までに仕事を終わらせ、新聞を読みながら朝食を取って仮眠。その後、朝9時からは東京にいる秘書さん達とメールでやりとりしたら、遅くとも11時くらいには仕事は完全に終了する。日中は妻と旅行やドライブにでかけたり、買い物や温泉、カラオケなど日中はリラックスして過ごしたりして、夕方5時から晩酌して20時には寝ている。

水野さんにとって、温泉は特別なリゾートではなく「日常」だ Photo by iStock

仕事は富裕層のコンサルで、出版社や飲食店なども複数所有しているので、自分は働かなくても生活していけるのだが、仕事自体や仕事で知り合う人が好きなので、まだ引退していない。正確にいうと、5年ほど前にセミリタイアして小田原に移住したはずが、最初の1~2年こそのんびり暮らしていたが、片手間で始めた事業が予想以上の活況を見せ、なんだかんだと忙しく暮らしている。  

数億円の負債も抱えていた

しかし、私はずっと優雅な生活をしていたわけではない。サラリーマンを経て、かつてはIPOを目指すベンチャー企業の経営者で、朝から晩まで働き詰めだった。
 
当時は会社の売り上げも右肩上がりだったが、負債も数億円抱えており、生き馬の目を抜くビジネスの世界で、生きるか死ぬか、まさにデッドオアアライブといった生活だった。しかし、社内クーデターもあり、3億円の負債とともに放り出された。その途端、周囲の人間が一斉に離れていく、という経験もしている。
 
当時の色と欲にまみれた経営者時代のことは、『幸福の商社 不幸のデパート』という本に書かせてもらったが、あれだけ華やかに思われていたドンファンの葬儀に集まった人が親近者を中心とした数十人だったと聞き、当時のことを思い出して寂しい気持ちになった。