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米朝会談直前のシンガポールを包む「3つの熱気」

それでも日本はカヤの外なのか…
近藤 大介 プロフィール

漂流する日本の安倍政権

さて、問題は、こうした国際社会の「新現象」から、すっかり取り残されてしまった感がある日本である。

私は、コリアン・プレスセンターで会見を終え、帰ろうとしていた南次官を追いかけ、声をかけてみた。

「南次官は、日本政府の役割を、どのように考えていますか? 米朝会談の後に、日本はどのような役割を果たすべきとお考えですか?」

南次官は、まさか日本人記者が混じっているとは思わなかったようで、やや当惑した表情を浮かべたが、それでもこう述べた。

「まず南北が進み、次に米朝が進んだ。その次は日本が進む番ではないか。日本には、この地域の平和と発展のために、大きな役割を果たしていただきたい」

日本は、何をどう進めたらよいのだろう。安倍晋三政権が最重要課題と言い続けてきた、日本人の拉致問題は、この先、どうなってしまうのだろうか?

 

冒頭に、シンガポールは今、「3つの熱気」に包まれていると記した。だが、そんな「熱い空間」の中にいる私自身は、すでにすっかり冷めきっているのだ。それはまさに、日本の「立ち位置」が、まったく定まっていないからだ。

そもそも、米朝のトップ同士が1回握手しただけで、70年の「骨肉の争い」が氷解するはずもなく、やはりしばらくは「漂流」することになるだろう。ところが、そんな漂流している北朝鮮をめぐる国際社会から、さらに漂流しているのが日本なのだ。

今回、シンガポールで「主役」でもなく「脇役」ですらない日本は、早急に北朝鮮対策を再考する必要があるだろう。そうしないと、いつまでたってもプレスセンターに和食が並ばないことは確かだ。

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