Photo by iStock
週刊現代

コーヒーを自分の家だけで飲むと陰口を叩かれる「あの国の文化」

人間関係はココを見ればわかる

陰口を叩かれる

コーヒーの生産地といえば、南米やアフリカを思い浮かべる人は多いだろう。しかし実のところ、これらの国では、国内でコーヒーを消費することは少なく、そのほとんどを海外に輸出していることが多いのだ。

一方で、アフリカのなかでも、コーヒーを輸出品としてだけでなく、日々の嗜好品として楽しんでいる国もある。そのひとつが東アフリカに位置するエチオピアだ。世界的にも有数のコーヒー生産国である同国では、コーヒーの全収穫量の半分近くを国内で消費しているのである。

ところが、そんな「コーヒー大国」エチオピアの村では、コーヒーを自分たちの家だけで飲もうものなら陰口を叩かれてしまうというのだ。

 

エチオピアの村では、コーヒータイムに一家族で飲むことはまずあり得ず、必ず隣近所の人を招く。

こっそり飲もうとしても、どうせコーヒー豆を挽く音や、香りでバレてしまうこともあり、独り占めせずに、みんなに振る舞うべきものとなっているのだ。コーヒーに限らず、食事の時に知人に会ったら、一緒に食べようと誘うのも礼儀だという。

どういうわけでコーヒーを分け合う文化ができあがったのかは定かではないが、コーヒーが人々の「潤滑油」となっていることはたしかなようだ。

多民族、多宗教の国エチオピアでは、イスラム教を信仰するムスリムの家の隣に、キリスト教を信仰する一家が住んでいることもある。異宗教の家族同士であっても、コーヒーを飲みながら20~30分の時を一緒に過ごすのだ。

とはいえ、けんかをするとコーヒーに誘われなくなり、コーヒーを共に飲むメンバーが入れ替わったりはするようで、村の人間関係は、「その人がいま誰とコーヒーを飲んでいるか」を見れば一目瞭然だという。

多民族、多宗教の国で生まれた、他人と関わりあっていくための知恵。私たちも、なんとなく話しそびれてしまっていた同僚や隣人をコーヒーに誘ってみてもいいかもしれない。(征)

『週刊現代』2018年6月23日号より