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日本代表がW杯本番までに「急いで修正すべき」ポイント

長谷部に頼ってばかりではいられない

6月9日。西野朗監督率いる日本代表は、ロシアワールドカップに向けたテストマッチで、スイスと対戦した。結果は、2−0で敗戦を喫している。

「決定力を欠いた」

西野監督は、試合後に渋面を作りながら語っている。ガーナ戦に続いて無得点に終わった試合。シュートはどれも非力だった。

「暗雲漂う…」

そういう悲観的論調で批判されても、致し方ないところなのだろう。

では、なにもかもが悪かったのか?

 

攻撃の起点になった選手は…

スイス戦、西野体制では初めて4バックを採用している。無得点で2失点も、選手の選択、判断に大きな迷いは見られなかった。少し乱暴な評価を下すなら、「ガーナ戦の3バックよりはマシだった」と言ったところだろうか。

改善した理由としては、ガーナ戦は3バックの中心だった長谷部誠が中盤にポジションを上げ、攻守のバランスが良くなった点が上げられる。

守備ではプレスで大迫勇也、本田圭佑がバックラインと中盤を分断する一方、長谷部が軸になって周りを動かし、相手の領域を狭め、ダメージを最小限にした。プレッシングが外された場合は、ラインコントロールしながらリトリートし、狭隘な場所に誘い込んだ。

長谷部の戦術的インテリジェンスは飛び抜けている。序盤、押し込まれた時間帯は、単純にクリアで回避しつつ、気負い立つ相手のファウルを誘った。舵取り役としても、手際の良さを見せた。彼を中心に、守備のフィルターが生まれ、攻撃の起点ができている。

開始早々の攻撃シーンは象徴的だった。大迫が前線で追い込んだ後のパスを受けた選手に対し、長谷部は原口元気と"挟撃"してボールを奪っている。それを大迫、本田、原口とつないで、一度下げたボールを長谷部はすかさず左サイドへ大きく展開。長友佑都が逆サイドにクロスを上げ、大迫と敵GKが交錯し、こぼれた球を原口がループで狙った(精度が低く、GKの正面へ)。

長谷部は攻守の要になっている。その後も、インターセプトを見せる一方、ポジションを留守にせず、粘り強く対応。本田が落としたパスをミドルレンジから狙う場面もあった。

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しかしながら、長谷部に得点まで期待するのは酷だし、彼がすべての守備をカバーできるわけでもない。

開始10分までに、日本は危うい場面をいくつも迎えている。相手の圧力に押される形で、狼狽する選手が出た。顕著だったのは、長谷部と中盤でコンビを組んだ大島僚太の不安定さだった。

大島のプレーセンスはJリーグ一、二を争う。ダイレクトで味方につけるパスは、その球筋だけで他を凌駕。適時なタイミングだけに、味方もそれによってアドバンテージを持って、次のプレーに移れる。

しかし、大島は国際経験が少ない。海外の選手の強度に慣れていないせいか、スイス戦も立ち上がりは凡ミスを連発。一瞬の迷いから自陣でボールを奪われ、縦パスはズレてタッチラインを割り、ふらふらとプレスに行ってはかわされ、無駄に後ろから引っかけて、不必要なFKを与える。バックラインの前の防護壁であるはずが、地雷のようになってしまった。

もっとも、前半10分を過ぎてスイスの圧力が弱まると、大島は余裕を取り戻し、有効なパスを供給し、見違えるようなプレーを見せている。やはり、ボールプレーヤーとしてのポテンシャルは高い。

明暗の分かれるプレーだった。

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