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孫正義が初めて明かす「僕は経営の修羅場をこうして生き延びてきた」

1兆円をドブに捨てた男と呼ばれて…

ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏が、みずからの半生を赤裸々に明かしながら、2時間以上にわたって語り続けた貴重な講演録。

前回は、孫氏が大学生時代に目にした1枚の写真で人生が大きく変わったという知られざるエピソードや、創業初期に大病を患ったことで「何のために働くのか」「何のために生きるのか」を考えざるをえなくなったという話などを紹介した。

今回はそんな孫氏が、数々の経営の修羅場をいかに生き延びてきたかが明かされる。いまや日本を代表する経営者となった孫氏が、ここまで赤裸々に過去を語るのは珍しい。その言葉を、皆さんはどう受け止めるだろうか――。

資産1兆円を手にするとどうなるか

病気から復活した孫氏を待ち受けていたのがインターネットの夜明け。

2000年直前、ドットコムバブルが到来し、ソフトバンクの株価は絶頂に達するのだが……。

ちょうどアメリカではヤフーが生まれたばかりでした。

まだ社員が6〜7名の頃に、我々が資本を100億円投入し、アメリカのヤフーの筆頭株主になりました。そしてYahoo! JAPANをジョイントベンチャーで作りました。

さらにこのとき、日本のインターネットのインフラは先進国のなかでも、高くて遅い状況だった。そして社会正義にかられて我々はNTTに挑戦しました。これがブロードバンド革命です。

実はこの時ですね、ソフトバンクはその直前の2000年の頃、株価が絶頂期でした。

僕の個人資産が、ビル・ゲイツを超えたこともあります。世界一の大金持ちはビル・ゲイツでしたが、3日間だけ僕が彼を抜いたことがあります。あまりにも短すぎて記録にもならなかったけど。その時、僕の個人資産は1週間に1兆円ずつ増えていってたんです。

 

みなさん、1兆円を手にしたことのある人、手を上げてください?

ないでしょ〜。言っとくけど、そんなに簡単に手に入らないからね。それが、1週間に1兆円ずつ増えていくわけですよ。

そうするとね、なんかおかしくなりますよ。もはやお金が記号になるんです。毎週1兆円ずつ増えていくといろんな人が寄ってきます。それこそ満面の笑みで寄ってきます。さっき僕が言っていた人々の笑顔とは違う笑顔でやってくる。ニタ〜って笑って寄ってくる。

ちょっと人間不信にもなったりして、お金が嫌いにもなりました。そういう贅沢な気持ちもあまり味わったことないでしょ? 

だから、お金はいろんなところに寄付したいと思っていた。でもどこに寄付するんだろうって考えてたら、神様が答えを出してくれました。

ネットバブル崩壊です。