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電通、プルデンシャル生命、ハリウッド…渡り歩いた男が見つけた天職

「すごい!」を追い求めて達した境地

元アメフトU-19日本代表主将、新卒で電通に入社しコピーライターとして活躍するも、約1年で退職。営業未経験でプルデンシャル生命に転職し、最年少営業所長に就任。全国2位の成績を収め月収2400万円を稼ぎながら、あっさりとそのキャリアを捨て、俳優を志し単身渡米。ハリウッドで俳優デビュー…。

そんな一見、破天荒なキャリアを歩んでいる男がいる。現在、芦名表参道(株)の代表を務める芦名勇舗氏だ。なぜ、安定したキャリアと収入をいとも簡単に捨てられるのか? たどり着いた「天職」とは何だったのか?

影響力の鍛え方』の著書もある芦名氏が、独自のキャリア論を語る。

取材・文/渡辺絵里奈

野球選手で1億稼ぐか、エリートで1億稼ぐか?

僕が初めて自分のキャリアについて考えたのは、小学6年生の時。

「野球選手になって1億稼ぐか、エリートになって1億稼ぐか、選びなさい」

母のこの言葉がきっかけでした。「1億円」という数字にしたのは、子供でもわかりやすい大金だったからだと思います。

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特別、贅沢な暮らしに憧れていたわけではありませんが、裕福ではない家庭だったため、僕自身も子供の頃から「将来、稼げるようにならなければいけない」という意識は持っていました。

では、どうやって1億円を稼ぐのか? 

当時、地元の野球チームに所属し、キャッチャーで4番というポジションを務めていた僕は、読売ジャイアンツに入団して活躍したいという夢がありました。

しかし、プロになれるのはほんの一握りな上に、「プロ野球選手名鑑」を見ても、当時1億円を稼いでいる選手はほとんどいませんでした。

プロ野球選手よりも、エリートになったほうが1億円を稼げんじゃないか?

冷静に分析した結果、僕は大好きだった野球を辞め、中学入学と同時に受験勉強を開始しました。エリートになるには、いい大学に入って、いい会社に入らなければならない。そう思ったからです。

勉強は嫌いでしたが、「今死ぬほど努力して、あとはもう一生勉強しない」と覚悟を決めて挑みました。

 

電通に入ったのは、「すごい」と言われたかったから

慶應義塾高等学校、慶應義塾大学と進学した僕が、勉強の代わりに熱中したのはアメフト。高校、大学、U-19日本代表と3つのチームで主将を務め、日本一も経験しました。

アメフト一筋の人生を送っていましたが、当時プロ選手になろうとは考えてはいませんでした。

日本のセミプロでも報酬が低く、ケガをしたら引退しなければならないリスクを考えると、賢明な選択とは言えない。アメフトは社会人チームで続ける程度にし、いい会社に就職する道を進むこことにしました。

就職活動中の指針は周りから「すごい」と言われる会社。

テレビ業界や外資系金融も考えましたが、僕が就職活動を始めようとする頃には採用面接の締め切りが既に終わってしまっていました。

結局、電通、博報堂、三井物産、三菱商事、三井不動産、三菱地所の6社を受け、最終的に電通に入社。

電通を選んだ理由は、言葉遣いや雰囲気が一番僕たち学生に近くノリだけで楽に仕事ができると思ったから。でも、やっていることは泥臭い。そんな社風に惹かれました。

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