3. 終身雇用/年功序列の崩壊
現在は会社に忠誠を誓えばどんどん地位や給料が上がっていく年功序列の時代ではありません。もちろん年齢や勤務年数はある程度考慮されるとは思いますが、能力やスキルが低いと一度みなされてしまうと、いくら長年勤めても報われる可能性が低くなってきています。少し前までは「一生忠勤すればそれなりの暮らしが保障される」という会社が少なくなかったと思いますが、そのような神話はほぼ崩壊したと考えられるでしょう。

また、うまく出世コースに乗れたとしても、会社自体もいつまで続くかわからない時代です。「つぶれるわけがない」と思われていた企業が経営不振に陥ってしまい、ビジネスを続けることができなくなってしまった例は枚挙に暇がありません。

ほとんどの会社は20年持たないといわれていますが、そのような組織に自分の人生をすべて預けるというのは怖いことではないでしょうか。会社がなくなる可能性だけではなく、自分のクビが切られてしまう可能性も否定できません。いくら自分ががんばっていたとしても、ビジネス環境の変化により「不要な人材である」とみなされてしまう可能性は、決して低くはないのです。

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このような不安定な状況があることを薄々感じ出した人が、「会社に頼らずに自らお金を稼げるようにならなくては」と考え、パラレルキャリアをスタートしはじめているのです。

私は、個人的にこの流れは非常に歓迎すべきものだと考えています。単に「たくさんお金が稼げるようになる」にとどまらない、大きなメリットがパラレルキャリアにはあるのです。

特に、サラリーマンとして安定した毎月の収入がある人には、特にお勧めしたいと考えています。そのメリットを、以下で4つに分けてご説明していきます。

メリット1:お金にとらわれないサービスを展開できる

サラリーマンは、安定してある程度の収入を得ているため、「副業でどうしても稼がなければ生きていけない」というプレッシャーがないのです。私は、これはとても素晴らしいメリットだと思っています。

会社勤めをしておらず、何とかして自分のビジネスを成功させなければ生活ができない……。そういう状況で必死にビジネスをやっている人は数多くいます。

もちろん、このような背水の陣を敷くことでうまく行く人もいますが、ビジネスはそこまで簡単に成果がでるものではありません。また、たとえうまくいったとしても、「金が稼げるかどうか」が第一の判断基準になってしまい、「他の人のためになる」「社会に貢献する」というところが抜け落ちたビジネスを展開してしまう可能性も高いのです。

そのような独りよがりのビジネスを展開してしまった場合、一瞬うまくいったとしても近いうちに足をすくわれてしまう可能性が高いです。また、運良くそのまま拡大していったとしても、「他の人や社会に貢献している」という感覚ではなく、「人から奪っている」という感覚を常に持ってしまうため、人格がどんどん汚染されていく可能性が高いです。

ですので、私はうまくいく・いかないに限らず、自分のビジネスをスタートさせる際は安定的な収入を持っておいたほうがいいと思うのです。そして、それを持っているサラリーマンは、お金については「できれば稼げたらうれしいけど、まあまずはゼロ収入でもいいか」ぐらいのノリでビジネスを開始することができます。

どれだけ儲けるか、ではなく、どれだけ貢献するか。そこを意識したビジネスを展開しやすいのです。

メリット2:ビジネスの全体像がわかり、本業にも貢献

サラリーマンが閉塞感を感じている理由の1つに、「ビジネスの全体を理解するチャンスがないこと」が挙げられます。

特に規模が大きい組織だと、個人個人がビジネスの一連の流れを見ることが難しくなっていきます。商品企画、開発、テストマーケティング、プライシング、販売戦略立案、販売戦略実行などなどをすべて「自分でやった」といえる人はほとんどいないでしょう。

もちろんジョブローテーションという仕組みはありますが、それはパラレルキャリアに比べると不完全な仕組みであるといえます。ある程度長い期間で仕事を変えていくので、「1つのプロジェクトを最初から最後までやりきる」という経験ができないのです。いろんな仕事を経験したはいいものの、それを自分の血肉として統合できるかというと、そんなこともない。