本業は外資系コンサルティングファームの戦略コンサルタント。加えて、キャリアや仕事術についてのブログ「Outward Matrix」やオンラインコミュニティの運営、ビジネス書の執筆、セミナー講師など複数の仕事を並行して進めているShinさん(@Speedque01)。

今、彼の周りには、会社員として働きながら、その知識や人脈を生かして空いた時間でほかの仕事をしたり、自らのビジネスを立ち上げて、本業と同等、もしくはそれ以上の収入を得る人がどんどん現れているのだそうです。

本業以外にも自ら仕事を作り出し、収入ややりがいにつなげることは「パラレルキャリア」と呼ばれています。なぜ、このような流れが加速しているのでしょうか。
「パラレルキャリア」が注目される背景と、その4つのメリットを、Shinさんが解説します。

パラレルキャリアの背景にある働き方の変化

パラレルキャリアの流れの背景には、一言でまとめると「日本における働き方の変化」があると私は考えています。大きく3つにわけて説明します。

1. 長時間労働の是正傾向
日本人は非常に勤勉といわれてきましたが、その背景には常態化した長時間労働がありました。ここ数年、常軌を逸した長時間労働に苦しんだ若者が精神を病んでしまったり、最悪のケースでは自殺をしてしまうこともありました。名だたる大企業でもこれらの事件が発生したことで、政府や業界全体として「働き方改革」に本気で取り組む動きが出てきました。

働き方改革が完全に成し遂げられたとはいえませんが、一定の効果が出ているのは確かだと感じます。「無駄な残業はやめて、早めに家に帰ろう」という声がけが積極的にされるようになったおかげで、残業の絶対量は減っている感覚があります。

ハードワークで有名な外資系コンサルティングファームや投資銀行ですら、残業が減少傾向にあるといわれています。今まで「家に帰って寝るだけ」という生活をしていた人たちも、早い時間に帰宅できるようになったのです。

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その結果、「時間がなくて何もできない」という状態から、「さて、空いた時間で何をしようか」と考えられるようになった人も少なくないのではないでしょうか。

いくら自分自身で仕事を作ってみたいと思っても、現実的に時間がほとんどなければ難しいのも確かです。今まではすべての時間を1つの職場にささげていた人も、平日の夜にまとまった時間が取れるようになってきたのです。

2.テクノロジーの発展
テクノロジーの発展も見逃せません。メールやオンライン会議、ファイルストレージ、コミュニティサイトやブログなど、ビジネスに必要なほとんどすべてのテクノロジーが無料もしくは安価で提供されるようになってきました。

かつては自らビジネスをはじめようと思っても、多数の初期費用がかかりました。オフィスを借り、必要な資料をそろえ、人を雇い……、というのが一般的だったのではないでしょうか。

それに比べれば、今はほんの少しの意欲と知識、ビジネスマインドさえあれば自分の事業を興すことは難しくありません。情報提供や教育、個別相談系のビジネスであれば、仕入れすらいらないので、目に見える初期投資はほぼゼロといえるでしょう。

私は「ブログ運営」「オンラインコミュニティ運営」「ビジネス書執筆」「セミナー講師」という4つの仕事を、戦略コンサルタントとしての本業以外に実施しています。それらすべて、文章の執筆や情報提供、問題解決系のものなので、仕入れが発生しません。それらを実施する際のテクノロジーも、非常に安価なものです。

・ブログで活用しているテクノロジー:記事のプラットフォームとなるワードプレスのみ。専門家に構築を依頼し、初期投資として5万円程度の出費。維持費用として年間2万円ほど追加でかかる。
・オンラインコミュニティで活用しているテクノロジー:コミュニケーションプラットフォームとしてのFacebook、会員限定コンテンツストレージとしてのGoogle Drive、限定動画や音声配信用のZoom。FacebookやGoogle Driveは無料で使い、Zoomは有料会員なので月あたり15ドルほどの出費。
・ビジネス書執筆で活用しているテクノロジー:Wordのみ。
・セミナー講師として活用しているテクノロジー:特になし。
*上記に加えて、Gmailをすべてのビジネスで活用しています。

これらのテクノロジーがあるおかげで、「失敗したらどうしよう」という恐怖から私たちは解き放たれています。

とりあえずはじめてみて、うまく収入が得られなかったとしても、金銭的なマイナスはたかがしれています。テクノロジーのおかげで、初期費用を抑えつつ、本格的なビジネスをはじめることができるようになったのは本当にありがたいことですね。